いわきFC、頂点は見えたのか?

 J3リーグ第27節、対カマタマーレ讃岐戦を4‐1で快勝。ここ5試合を1‐0、1‐0、0‐1、2‐1、4‐1とV字回復、残り7試合で勝ち点60、2位の鹿児島に4点差をつけて首位を堅守している状態だと、気の早いサポーターとしては、リーグ優勝を現実のものとして考えてしまう。いわきFCのスタイルなら、優勝を意識して固くなる余地はない。攻めて、攻めて、できるだけ相手に攻撃の時間を与えない。結果、リーグ最高得点(57、2位は藤枝の48)、最小失点(18、2位は松本の21)となっている。
 讃岐は、前半よく頑張って五分五分の展開に持ち込んだ。互いにシュート数が3。しかし、いわきがギアを挙げた後半、19分の山口のヘディングゴールを皮切りに約20分で4ゴール(谷村、有田、有田)と、いわきが圧倒した。讃岐も終了間際、松本が見事なヘッドで1点を返して維持を見せ、今後への期待をつないだ。
 いわきの1点目は、谷村が右奥へ蹴りこんだボールを岩渕が嵯峨へリターン、嵯峨がフリーで、逆サイド奥へ正確なクロス。それを山口が叩き込むという完ぺきなゴールだった。4点目となった有田のゴールも見事であった。ヘナB前からドリブルを開始すると、両脇を谷村と杉山が走ってDFの注意を分散、有田はペナBライン付近からサイドキックでゴール右隅へパスのようなシュートを決めた。有田は今季10点目を記録し、リーグ得点トップの鹿児島の有田(14点)を追いかけている。
 残り7試合(ホーム3、アウェー4)には現在2位の鹿児島との直接対決も含まれる(11月6日)が、これはホーム戦なので、いわき有利と見る。大胆不敵、傲岸不遜にも、2位予想をすると、筆者は、藤枝を推す。勝ち点55で現在3位、得失点差が24で、いわきの39に次いで2位で、攻撃重視のチーム。鹿児島も攻撃に強みを持つが、失点も多い。現在4位の松本(勝ち点54)は、試合巧者だが、得点力に難がある。
 では、いわきの難点はと言うと、やはり、怪我か。讃岐戦では、連続出場だった日高が休んだ。讃岐戦では、嵯峨がイエローカードをもらい、もう1枚もらうと累積4枚で、次の試合に出られない(いわゆるリーチ状態)。隠れサイドバックと言われている日高と嵯峨を欠くと、攻撃力は激減するだろう。ただ、筆者が期待するのは、山口大機輝。昨年は、キャプテンに選ばれながら、9月に怪我で長期離脱。今年6月第11節で復帰し、前節には今季2ゴール目を挙げた。ハンサムな容貌からプリンスとまで言われたこともあるが、性格は謙虚である(第3回「ゆうぞうの部屋」での疑似インタビューは必見)。終盤、何かあっても言山下キャプテンを支えて、リーグ優勝を現実のものとしてくれると期待している。

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