いわきFC、J2へ前進!

 第26節、対FC岐阜戦を現地で、そして、Daznで観戦した。結果は、2-1で勝利、勝ち点を54に伸ばした。この日、松本が0-1で横浜に敗戦、前日には鹿児島も0-6で鳥取に敗戦、いわきは2,3位に勝ち点4差をつけた。この3チームで直接対決が残っているのは、いわき対鹿児島だけで、松本有利と見られていたが、26節の結果を受けて、いわきが優位に立った。
 いわきは、フィジカルが、、、とよく言われるが、今回は、メンタルもかなり強いことが分かった。1-0、1-0、0-1とまるで株価の下降局面のような展開だったが、ここでよく踏ん張り、4試合ぶりに2点を取った。1点目の鈴木、日高、有田が完成させたゴールも素晴らしかったが、後半23分の岩渕のゴールに強いメンタルが表れていた。柏木が嵯峨を倒した結果得たフリーキックを山下がゴール前に蹴り、GKが味方と重なって遠くへ飛ばせなかったこぼれ球を岩渕が蹴り込んだ。
 伏線は、家泉が右奥に蹴りこんだボールである、誰もがゴールラインを割ると思った瞬間、DFより後ろからスタートした岩渕が追いつき足を出していかした。ゴール方向ににとんだボールを別のDFがクリアして逃げた。岩渕が素早くスローインで嵯峨に渡すとこれを柏木が倒した。イエローをもらった柏木は、主審と何やらコミュニケーションを取る。時間稼ぎのように見えた(ある意味姑息)。このフリーキックが勝ち越し点につながったわけだ。岩渕はインタビューで「リスタートは、相手に余裕を与えず直ぐに始めるのがチームの共通理解」と言っていた。何につけいわきの動作は素早い。
 対する岐阜は、応援の太鼓のリズム同様、万事鷹揚に見えた。試合前のサブのメンバーの鳥かごも楽しそうだったが、少し緊張感が足りないようにも見えた。先発ではないからという油断しているとまでは言えないが、ひたむきさに欠けていた。いわきは、日曜日に試合があると、月曜日に練習試合を組むことが多い。他のチームもそうしているのかよく知らないが、控えの選手たちのモチベーションを大切にしている。その意味で、久しぶりに古川がベンチ入りして、後半ピッチに立ったのはうれしかった。古川のチェイスは、前田大然並みですぞ。
 岐阜には、ビッグネームが多い。代表経験者が3名先発した。こうしたベテランは、確かに技術があり、立ち居振る舞いに余裕がある。半面、いわきの選手たちは、悪く言えばせかせかした印象を与えるかも知れない。そんない急いでどこへ行く?と揶揄されなくもない。ただ、筆者の感想はこうだ。この日の午前中、J‐Villageで見た中学生たちのプレー(何面もあるコートで色とりどりのユニホームが躍動していた)は、本当にひたむきで、さぼらず走り続けるさわやかなものだった。90分倒れず走り続けるいわきFCもすがすがしい。
 宇賀神選手が負傷交代を余儀なくされたとき、かなりの時間を費やした。お気の毒ではあったが、リードされている展開で、時間がたっていく。「いわきが勝っているときに岐阜が時間を使ってくれるのはありがたい」と、スタンドのサポーターがつぶやくのを聞いた。主審が時計を止めていて、アディショナルタイムが増えるのだろうが、反撃しようという意気込みを鈍らせるのではとも思う。いわきの戦術は、ボールを前へつけ、相手を押し込み、攻めさせない。カウンターを仕掛けられたら、直ぐに戻って見方を助ける。これを90分間、毎試合やり続ける。J2への道が開けるのも道理である、と思った。

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