20210802 [climate change] 排出権取引 vs カーボンオフセット: su-re.coのバイオガスは?
私たちsu-re.coは、農家にグリーンエネルギーを提供し、温室効果ガスの排出を削減するために、ポータブルバイオガスダイジェスターを作っています。
https://www.su-re.co/post/biogas-beyond-emission-reduction-why-blockchain-isn-t-just-sexy
https://www.su-re.co/post/biogas-covid19-will-not-stop-ikea-biogas-digesters
ある既存の投資家が温室効果ガス排出を削減するプロジェクトに懸念していると聞き、懸念内容についてちょっと考察していました。この投資家は排出権が再度高価格で売れることことを気にしています。そして、その排出権のマーケットで行われている活動がPR事業で本当のマーケットでは無いかもしれないことも危惧しています。もっともです。しかし、これは認証会社によって作られた排出権を、排出権取引会社を通して行う排出権取引マーケットを通さなければ必要のない危惧です。
温室効果ガスの排出を削減する事は、必ずしもその排出権をクレジットとして取引する必要はありません。私たちの行うバイオガスから温室効果ガスの削減に、人々がお金を払うのでしたら、それはブロックチェーンで検証を受けたフェアトレードのコーヒーを飲むのと同じように、排出削減を消費し続ければ良いのではないでしょうか?今週末に、環境系の友人に相談したところ、カーボンオフセットと言う言葉を嫌っている人でも、飛行機に乗ったり、物を買ったりするときに植林などに寄付する需要は非常に増えているとのことです。その時、必ずしもカーボンオフセットと言う言葉を使っておらず、Nature Base Solutionなどの言葉があてがわれる時があります。またこの時寄付したオフセット量を、消費者は再販売する事は期待していません。ですので私たちも、この仕組みを使って排出量を売り続ければ良いと思います。
一番大事な事は、温室効果ガスの排出を減らすと言うことであり、それが行えたのなら、温室効果ガス排出を減らしたことを再取引する必要はありません。そして、再取引されないのでしたら、企業がカーボンオフセットを行うことがPR事業であっても問題はありません。PR事業で行われているカーボンオフセットも認証を受けて削減はきちんと行われているはずです。問題なのは、認証を行うことと、トレードを行うことが、ある1部の権限を持っている人に縛られているため、その中間コストが非常に高いと言うことです。
認証会社も排出権取引会社も通さない、私たちのブロックチェーンとネットワークにつながったフローメーターで検証を行うカーボンオフセットは中間コストが非常に安く出来上がるはずです。しかし、PR活動としてカーボンオフセットを行っている大企業は、私たちの活動に興味を示せないと思います。なぜなら、彼らは排出量よりも、「排出量削減の活動をしている」証明が必要なだけだからです。今のところ、このような大企業はブロックチェーンからの検証よりも、認証会社からの信用の方を買うように思います。
要約すると、カーボンオフセットをPR事業として考えているような大企業ではなく、真に気候変動に興味を持っているようなグループをターゲットにしてカーボンオフセットをするのがいいと思います。そのうち、時代が回って大企業も私たちの活動に入ってくるでしょう。例えば、今年私たちは環境の投資で有名なグループのメンバーが、私たちのバイオガスプロジェクトに寄付をしてくれます。その理由の1つは、寄付した金額がより多くの温室効果ガス排出の削減に使われると言うことを願ったからです。きちんとやってくれるかと言う事は、私個人の信頼でしたが、バイオガスが使われているかと言う事は、ネットワークにつながったフローメーターで報告する予定です。このような、カーボンオフセットに 支払われる金額がどのように使われたかを気にする人に、検証ベースで報告をすれば良いと思います。