寡黙/葛城ユキ (‘80)
今日は海の日である。去年は海の日に因んで、「水着の悪漢/デヴィッド・ブロムバーグ・バンド (‘78)」を紹介させていただいたが、今年も海に関係したアルバムを紹介させていただこう。
今回は、そのハスキーボイスで一世を風靡した女性シンガー、葛城ユキのデビューアルバムをピックアップしてみた。本作は、ボニー・タイラーのカバーで彼女のデビュー曲となった「Sitting on the Edge of the Ocean〜哀しみのオーシャン」を収録したアルバムである。
その後、毎年のようにアルバムをリリースし、ロックなルックスとパフォーマンスで人々を魅了した。’83年には、彼女の代表曲とも言える「ボヘミアン」をリリースし、一躍スターダムにのし上がった。ちなみにボヘミアンは’82年に大友裕子がリリースした曲のカバーであるが、「迫力」や「刹那感」といった部分においては、いずれの歌唱も優劣はつけ難い。
そして順調に活動していた彼女であったが、ステージ4の癌に侵されていることが発覚し、’22年6月、闘病の甲斐も虚しく帰らぬ人となった。公の場での最後の歌唱は、ベット・ミドラーで有名な「ローズ」であったという。
「哀しみのオーシャン」を彼女のバージョンとボニー・タイラーのオリジナルでどうぞ。
「ボヘミアン」を彼女のバージョンと大友裕子のオリジナルでどうぞ。
彼女のアルバムは近年リリースされたベスト盤以外はサブスクには見当たらない。オリジナルアルバムに収録されている曲も素晴らしい。入手しやすいうちにアナログ盤での購入をオススメしたい。
ロックがカッコよかった時代のシンガーであり、いつまでも第一線で活躍して欲しかった一人だった。合掌。
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