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ザ・ビリー・フューリー・ヒット・パレード/ビリー・フューリー (‘82)
The Billy Fury Hit Parade / Billy Fury (‘82)
‘50年代後期、アメリカではエルヴィス・プレスリーをはじめとしたロカビリーが音楽のメインストリームの一つとなる中で、イギリスではどうだったのだろうか?イギリスでは、スキッフルが一つのスタイルとして定着しており、アメリカの後追いの形でロカビリーが流れ込んできた。しかし、世の中の常と言おうか本質の部分は伝わらず、わかりやすい部分が誇張されて伝わっていくということもあった。今回は’50年代後期のイギリスで、アメリカのロカビリーに対抗すべく、ビートルズ登場までの短い期間を彩ったアーティストの一人、ビリー・フューリーのアルバムを紹介させていただこう。
ビリー・フューリーは’50年代末期に「メイビー・トゥモロー」でデビューするが、エルヴィス・プレスリーに似た容貌でもあったこともあり、エルヴィスをイメージさせるアイドル要素のあるシンガーという立ち位置に置かれた。当時のイギリスでは、クリフ・リチャードらが人気を博しており、マーティ・ワイルド、アダム・フェイスにビリーを加えた3人が高い人気を得ていた。
スキッフルの時代からビートルズが登場するまでの期間、多くのアーティストや音楽が出てくる中で、比較的大きな流行となったのが、本作のような音楽スタイルでもあった。私見ではあるが、ポップスとしては評価の対象になり得るものの、ロカビリーの影響下というには全くの力不足を感じる。それでも、容貌や雰囲気はまさにサン・レコードのロカビリーのような雰囲気を持っていた。
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本作のリリース当時、バディ・ホリー、エディ・コクランなどのアーティストのオリジナルアルバムが国内で再発売され、私は毎月の給料で何枚もそれらのレコードを購入した。その中で少し視点を変えた結果、本作を購入したという経緯であるが、家で聴いて期待を裏切られたようで落胆したことはよく覚えている。理由は簡単、エルヴィスやカール・パーキンスらはもとより、バディ・ホリーやエディ・コクランのようないい意味でのポップさではなかったことである。
比較的近い内容のSpoyify音源をどうぞ。
熱心に探すことはないが、その後、中古店で予算が合えば何枚かのアルバムを購入した。
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テッズ(テディ・ボーイズ)の文化がロックンロールの本質を継承していた反面、エルヴィスらのイメージを追いながらも、本質のサウンドとは違ったサウンドになったのは、時代を考慮すれば、一つの流れと捉えることができるが、わずか数年の期間に起こったムーブメントを考えれば興味深い面もある。
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