マイ・エンジェル・ベイビー/トビー・ボー (‘78)
Toby Beau / Toby Beau (‘78)
今回はテキサス州で’70年代に結成された5人組のグループ、トビー・ボーのファーストアルバムを紹介させていただこう。彼らはテキサス州南部のリオ・グランデ・ヴァレーから登場したグループで初期イーグルス的な雰囲気を持つサウンドが魅力である。ライナーノーツにあるように、オザーク・マウンテン・デアデヴィルズ、シルバー、ピュア・プレーリー・リーグなどに近いサウンドと形容されている。
テキサス州南部というメキシコ国境に隣接した地域にも起因すると考えられるが、メキシコ風のフレーズが生かされた曲も散見される。そういった意味でも地元に影響を受けた良質のグループである。
‘80年までに3枚のアルバムをリリースし、以降はメンバーの他界等があったものの、残されたメンバーで現在でもグループを継続しているようである。本作の邦題タイトルにもなっている「マイ・エンジェル・ベイビー〜My Angel Baby」はアメリカのアダルト・コンテンポラリー・チャートで1位に輝いた。
ジャケットはエンボス加工された丁寧なつくりであり、カントリーロックという雰囲気をイメージさせる演出も嬉しい。
「マイ・エンジェル・ベイビー〜My Angel Baby」
「ボーダーライン〜Borderline」のレコーディング風景
Spotifyにはオリジナルアルバムはなかったが、コンピレーション盤は聴くことができる。選曲範囲は広いが、彼らの概要を知るにはいいアルバムである。
ある程度の知名度があるグループなので、ご存知の方もおられると思うが、テキサス州というアメリカ大陸の中心部から発信されたカントリーロックとしても興味深い一枚である。