ア・デート・ウィズ・エルヴィス/ザ・クランプス (‘86)
A Date with Elvis / The Cramps (‘86)
ザ・クランプスは‘76年にカリフォルニア州サクラメントでリードボーカルのラックス・インテリアと妻でギターのポイズン・アイヴィーが中心になって結成された。その後、’09年にラックスが死去するまでメンバーチェンジをおこないながら活動したが、夫妻は一貫してメンバーであり続けた。
彼らは最初期のサイコビリーバンドの一つであり、サイコビリーの創始者とも考えられている。そもそもサイコビリーとは、ロカビリーとパンク、ニューウェーブ、ガレージなどの音楽が融合してできたものであり、それに加えてホラー的なビジュアル要素などが加味されている。彼らはその中でもガレージの要素が大きく、ロカビリーの多くを占めるカントリー的要素は少ない。
本作は’86年にUKのビッグ・ビート・レコードからリリースされた3作目のアルバムである。裏ジャケットのメンバー写真を見てもわかるように、ロカビリーバンドの必須でもあるポンパドゥール(リーゼント)のメンバーはいない。
サイコビリーだけではなく、アンダーグラウンドの音楽シーンでも外すことのできないアーティストであり、こういった音楽を目指す者が聴くべきアーティストの一つである。
かつては中古店でもよく見かけたが、最近はめっきり見なくなったアーティストである。ラフでチープな一面もあるが、それがアンダーグラウンドの音楽のカラーでもある。ある意味、ミクスチャーロックの一枚。
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