YUKI・愛を知りし時/宮前ユキ (‘76)
宮前ユキは熊本県出身のカントリーシンガーで、‘60年代後期にチャーリー永谷&ウェスタン・キャノンボールのリードシンガーとしてキャリアをスタートさせた。彼女は主に米軍キャンプを中心に活動し、その後、ポリドール・レコードからメジャーデビューした。そして’76年にリリースした「お前とナッシュビル」がヒットし、彼女の代表曲となった。通算3枚のアルバムを’70年代にリリースしたが、本作はそのファーストアルバムとなっている。
本作の収録曲はカントリーヒットの日本語バージョンがメインであるが、吉川忠英とホームメイドがバックを務めるなど、サウンドは本物である。さらに’74年にはグレン・キャンベルの来日公演、’75年にはナッシュビルのグランド・オール・オプリーに出演している。また、’76年にリリースされたドリー・パートンやオリビア・ニュートン・ジョンでお馴染みの「ジョリーン」の日本語カバーは、そのアレンジも含め評価が高い。この曲はセカンドアルバムに収録されている。
ちなみに、チャーリー永谷は南阿蘇で開催されていたカントリー・ゴールドの主催者であり、そのイベントは国内外のカントリーミュージシャンが一堂に会する舞台でもあった。カントリーミュージックのファンにとっては重要なイベントでもあった。
当然ながら、Spotifyには音源がないが、YouTubeでアルバムがアップされていた。
セカンドアルバムに収録の「ジョリーン」をどうぞ。
残念ながら’14年に他界したが、彼女の国内でのカントリーミュージックへの貢献は非常に大きい。近年になって、オフィシャルCD-Rとして本作はオンデマンド生産された。マイナーながら「和物」としても知られる一枚である。
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