【国際理解につながる宗教のこと】宗教の理解が価値観を広げる
こんにちは、タケシです。
今回は「国際理解につながる宗教のこと②宗教を知ろう」という児童書について紹介していきます。
宗教について、学校教育では学ぶ機会がほとんどありませんが、世界情勢の理解や幅広く社会と関わっていくには知っておかなければない分野です。本書では大人が「もっと早く知りたかった!」と思える、今まで知らなかった宗教の歴史、問題が小中学生に向けて分かりやすく書かれています。
親子で楽しく、宗教の学びを通して、価値観を広げてくれる一冊となっていますので是非読んでみて欲しいと思います!
【国際理解につながる宗教のこと】概要と要約
本書は池上彰さんが監修している、国際理解につながる宗教シリーズの第2巻です。1巻も世界の宗教と文化について触れた本でしたが、この2巻の内容はさらに宗教の概要、歴史、抱えている問題点について深堀しています。
【本書の要約】
●第一章 さまざまな宗教
こちらの章では世界の宗教の状況の紹介、そしてキリスト教、仏教、イスラム教、神道、ユダヤ教、ヒンドゥー教のそれぞの歴史、教え、行事などが紹介されています。
なかでも、世界の宗教の状況については「もしも世界の人口が100人だったら」という条件で各宗教の割合が記されていて、とても興味深い内容でした。
「もしも世界の人口が100人だったら」
・キリスト教 33人(33%)
・イスラム教 22人(22%)
・ヒンドゥー教 14人(14%)
・仏教 7人(7%)
・その他・無宗教24人(24%)
4人中3人は何かしらの宗教を信仰しているのだそうです。
何を基準に宗教を信仰しているかという問題はありますが、大半が無宗教ともいえる日本人にとっては、無宗教が少数派であることは意外な結果かもしれません。
●第2章 宗教のつながり
第2章では、宗教をめぐる問題、争いと各宗教の歴史的なつながりが紹介されています。一つの宗教から派生し、影響を受けた宗教があり、それらの歴史が紛争の背景になっているなど、ニュースや世界史だけでは知り得ない内容も記されています。
特に聖地いわれるエルサレムはユダヤ教、キリスト教、イスラム今日の共通の聖地であるため、たびたび周辺の国々で争いの原因になっているとのこと。
宗教の理解が、国際的な争いを回避するための鍵になっていることを深く考えさせられる内容となっています。
マイノリティであることの理解
多くの日本人にとって、宗教は特別なものという感覚があると思います。
私もそうですが、もし知り合ったひとが「ユダヤ教信仰してるんだ。豚肉食べないよ。」と言われたら、「え、そうなんだ!?」ときっと驚きます。
ですが、それは世界から見ればその反応はマイノリティかもしれません。
そして、その感覚は偏った考えにつながり、自分の可能性、視野を狭める原因にもなると本書を読んで強く感じました。
宗教は当たり前に存在し、世界ではほとんどの人々が何かを信仰していて、私たちが日常的にお寺や神社に参拝に行く行為も宗教活動です。
宗教を信仰することは特別なことではなく、そして良い悪いで判断するのでもない、「主食がお米かパンかイモか」レベルの日常生活の違いくらい、身近なものなんだと思います。
しかし、身近でありながらも歴史が深く絶対的な存在であるからこそ、対立や紛争の原因にもなってしまうこともあるということ。本書で理解したこの感覚を今後も大事にしたいと思います。
宗教から考える大人の立ち位置
教育、日常生活で宗教に触れる機会が少ない日本人にとって、宗教に対してなんらかの抵抗感があると思います。
ですが、それはあくまで古い価値観を継承し続けてきた大人たちのことで、子どもは生まれながらに、宗教の価値観など持ち合わせていません。
だからこそ、大人が正しい知識を持って、宗教と日本、世界についての理解を示していくことが重要だと思います。
子どもの価値観を広げ、日本でも世界でも誰とでも関わっていけるようにするためには、まずは大人たちの考えを変えないといけない。本書を読んで大人の立ち位置の重要性を深く考えさせられました。