木曜ドラマ『桜の塔』。これは企業でもある人間ドラマだ。

警察ドラマで、主演は玉木宏さん。警視総監に上り詰めるのに、薩摩派、東大派、その他雑種みたいな派閥の争いで、話の筋は、おおざっぱなものではあるが、これがなかなか興味深い。

なぜなら、企業の人事も全く同じ、と感じているからだ。

笑ってしまうようであるが、本当の話。よくドラマで社長派だ、専務派だ、常務派だ、、とあって、誰かが主導権を取れば、その部下が一気にポストを取っていく。あれは、本当にある話だ。

以前、こんな話を聞いた。

社長交代により、役員から部長、課長と、主要ポストが、新社長に近い人間ばかりが任命されて、それ以外の人たちは、見事に外された、。

傍目で見ていても、ここまでやるかと、ある意味、清々しいくらいの刷新であった。

それでは、このような人事は良くないことか?と言えば、外された当事者は不満だが、そうとも言えないのでは、とも感じている。

社長の立場に立って物事を考えると、「自分の成果が短期間で問われてくる」という厳しい状況に置かれているのも、よくわかる。

前社長とは違う、新しいことにもチャレンジしたい、だろう。

となると、自分の息のかかった、『ツーと言えばカー』となる人間を、配下に置きたいというのも、理解できる。

多様性に富んで、能力ある部下。自分の意見に対して、積極的に意見を物申し、異論反論を唱えてくれる部下。

これは、理想。

正直、たぶん、腹も立つ。異論反論言う前に、自分の指示を実現してくれ、というのが本音だろう。

短期的に、成果を出すためには、すぐに動いてくれるスタッフで固めていく事が、ひとつの正解であると思う。

しかし、だ。

これも1年や2年ならまだしも、3年も5年も続くと、ヘドロ状態になってくる。はっきりいって、組織は腐ってくる。

やはり、最終的には、多様な人材が、それぞれの部署で、自分の判断で動き回る。こんな組織にならなければならない、のだろう。

一方で、これもある企業で、新社長に任命されても、意思疎通しやすい人材で人事を固めることなく、以前からいるスタッフでスタートした人がいた。

非常に公平な人であるとの、前評判も高かった。

が、結果的に、短期間で勝負には勝てなかった。成果が出せないばかりか、結果、部下からの不満が膨れ上がっていった。

思うに、彼の意図を理解し、すぐに動く部下を、2人でも主要ポストに置けば、スピーディに改革はできただろう。施策も動いただろう。

ビジネスは結果的には、一人では動かない。

必ず、右腕左腕が必要だ。

となると、やはり、派閥??

こんなことを反芻しながら、『桜の塔』を見ていると、お堅い組織ほど、この傾向が強いんだな、、と、いつも笑いながら見ている自分がいる。

もう、組織人、じゃないから(笑)、気楽なものです。





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