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【テレビ】朝ドラ『おちょやん』雑感

劇中劇にこめられたその週のストーリーの本質。

これを杉咲花さんだったり成田凌さん、星田英利さんを中心とした演者のみなさんが実に上手く表現しているなと思って、おもしろく視聴させてもらっている。

正直な話、放送当初はあまり期待をしていなかった。前作が朝ドラ視聴史上でもベストと思えたくらいに素晴らしい作品だったのでなおさら・・・

『わろてんか』と何が違うんだろう? 吉本と松竹の違いだけ!?

冷ややかな思いもあったが、そんなドラマではなかった。

今作ではヒロインが圧倒的に不幸すぎるし、それを決定的にさせる存在なのが、朝ドラ史上でも稀にみるダメ親父、そしてダメ旦那。

竹井千代ほどタフな朝ドラヒロインもそうそういないだろう。

これからの見どころ

放送回数が100回を超え、残り放送回数もわずかとなっているが、千代のモデルとなっている浪花千栄子さんが舞台の世界からラジオ・テレビといったメディアの世界へどのように進んでいったのか?

修羅場まみれの人生を芝居へどのように反映させたのか?

このあたりに注目しながら最終回まで作品を観ていきたい。

余談であるが、高橋英樹さんがテレビ番組で以前、浪花千栄子さんとの思い出を語っていたのが印象深い。

英樹さんがまだ若手で遊びに走っていたころ、『伊豆の踊子』で共演をされた浪花さんから「あんた、変わりはったわね」と言われて、頭をトンカチで思い切り叩かれたようなショックを受けたという話。

はるか昔に『伊豆の踊子』を観たとき、私は吉永小百合さんの美しさに見とれているだけで、他の女優さんに関する印象がほとんどなかったのだけど、今度時間があるときに浪花千栄子さんのお芝居をじっくり観てみようと思う。

その他、感じたことをおまけ程度に

①生瀬さんと名倉さんが共演する場面が今週放送回でみられたが、『べっぴんさん』を視聴されていた方にとっては、懐かしい場面に思えたかもしれない。

②キラリと光るような新進気鋭な若手の役者さんは今作で発掘することはできなかったが、冒頭で名前を出した「ほっしゃん(星田英利さん)」。初めて本格的な芝居を見させていただいたが、予想を上回る名演ぶりに驚いた。

「憎たらしいようでどこか憎めない不器用なコメディアン」という千之助を絶妙に演じていて、とても魅力のあるキャラクターだった。

今作における陰のMVPは星田さんだと思う。




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