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死んだ戦友に申し訳なくて

ある戦闘機乗りの言葉
(とてつもない日本)

  先日、ユーチューブを見ていたら、先の大戦(大東亜戦争)で生き残れた旧陸軍の戦闘機パイロットが、インタビューに応じる動画があった。

  その方は、90歳半ばを過ぎているものの、話し方もしっかりしており、きちんと取材に応じていたが、インタビュアーが
「亡くなられた戦友の方々に対して、どういうお気持ちですか?」
と尋ねられると
「死んだ戦友たちの顔は、今でも鮮明に覚えていますよ。
    あの頃は、みんな戦って死ぬ気でいた。
    でも私は、不幸にも生き残ってしまい、亡くなった戦友には、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
    でもね、いつまでも、過去にこだわってはいけない。
   前に進まなければいけない。
  そして、この国の復興に尽力するのが、生き残った者たちの新たな使命だと思うようになってね。
   そういう気持ちで、真剣に生きないと、亡くなった戦友に申し訳ないですよ。」

と、やや声を詰まらせながら答えた。

生き残ったことを
     『不幸で、申し訳ない。』
と言うのである。
  しかし、それを哀しみや悔しさで終わらせることなく、バネにしてこれまで必死に生きてきたのだと思う。

私はここで、先の大戦の正否等について述べるつもりはないし、そのような見識も持ち合わせていない。

しかし、あの戦争で、軍人、民間人を合わせて三百万あまりという死者を出し、爆撃や原爆で国土は灰塵に帰したにもかかわらず、終戦後わずか20年足らずで、アジア初のオリンピックを開催して、当時世界最速の新幹線を開業させ、その奇跡的な復刻で世界を驚かせたばかりか、その後も驚異的な経済発展を遂げることができたのはなぜか?

  それには、朝鮮戦争等、当時の世界情勢もあるが、その根底には、生き残った日本人ひとりひとりが、それぞれの立場で先の大戦で亡くなった方への思いを抱きつつ、その英霊の分までという気持ちで粉骨砕身努力されたからだと思う。

   この奇跡的復興というのは、何も戦後に限らず、平成の世になってから発生した
        
       阪神淡路大震災
       東日本大震災

という、未曽有の大災害においても見られ、驚異的な団結力とスピードで復興したことや、治安が乱れなかったという日本人の素晴らしい国民性も、世界の人をアッと言わせたのは記憶に新しい。

  日本人は、困難に立ち向かう時に、死者への思いを、明日へのエネルギーに変える力を持っているのだ。

  今ウクライナでは、ロシアの軍事侵攻により、その国土が蹂躙されているが、あらゆるインフラが破壊された映像を目にするたびに心が痛む。

しかしその戦禍が終わった時、その時こそが本当の日本の出番であると思う。

我々日本人が、これまで培ってきた奇跡の復興力のノウハウで貢献する時だ。

日本の、日本人の底力を、世界に見せてやる時だ。

日本という国は、とてつもない国だということを見せてやる時だ。

  そのような国際貢献を通して、世界中に親日国家がたくさんできれば、日本に手出ししようというような国はいなくなるかもしれない。

そのためにも、1日も早くウクライナが平和になることを、ただただ祈るばかりである。

  


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