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漕日(そうじつ)

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南米・チリ共和国のアイセン州をカヤックで旅した記録。パタゴニアと呼ばれる地域の、ジグソーパズルを砕いたような地図を描くフィヨルドに持ち込んだ食料は、お米とちょっとした調味料のみ。…
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#エッセイ

漕日#10|島にへばり付く森、森にへばり付く人

無人島に一人住む木こりのソトと、島の頂を目指して歩き始めた。微小な藻類のせいでつるつるす…

志田岳弥
4年前
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漕日#8|ウニとカメラ、そこへネコ

人間は、欲望に駆り立てられるうちに、よくヘマをする生き物だと思う。10月23日、午前7時半に…

志田岳弥
4年前
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漕日#7|「向かい風=前進」の法則

 午前6時34分、嫌な夢で目が覚めた。眠りが浅かったらしい。  夢はこんな感じだった。何…

志田岳弥
4年前
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漕日#6|知るべきことを知った不幸で今生きている

 プユワピ水道の途中で見つけたビニール小屋には2泊した。この水道は3日程度でパスするのが…

志田岳弥
4年前
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漕日#5|期待通りにいくとでも?

 10月20日、午後2時過ぎ。止んでた雨が再び降り出す。北風も強くなってきた。小便にも行きた…

志田岳弥
4年前
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漕日#4|自然の情報を活かせないぼく

 久しぶりのテント泊が快適すぎた。昨晩は晴れにも関わらず驚くほど暖かく、シュラフを羽織っ…

志田岳弥
5年前
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漕日#3|自分に関わる一切を外注しない

 まずはあの岬。そしたら次はあっちの岬。プエルト・シスネスから漕ぎ出たプユワピ水道は、3年前のカヤック旅行でも通ったルートだった。行き先が分かっているだけでも自然が持つ意味合いは前回と異なり、より柔和な親しみやすさを体と心で感じていた。新鮮味に欠ける既視感はマイナスというより、むしろプラスにはたらいて「今回はどんな旅をしてやろうか」と、この先の約2週間を想像しながらパドルを操った。 フィヨルドを漕ぐ 今回のルートはプエルト・シスネスを出発し、前回とはやや異なるルートで南下し

漕日#2|暮らしに必要なのは25kg

 10月19日、快晴。もろもろの用を済ませ、宿の近くにある売店でセビチェとバナナを買う。セビ…

志田岳弥
5年前
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漕日#1|白鳥たちの港にて

 探検家といえば、どこか個人的な表現活動とも捉えられる現代だけれど、昔は軍人の仕事に探検…

志田岳弥
5年前
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漕日#0|自分の言葉を手に入れる

 noteを更新するのはすごく久しぶりだなぁ。というのも、カヤックに乗って旅に出たのですよ。…

志田岳弥
5年前
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