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ホニャラ北海道・桃岩旅!その10

9月13日 問寒別~礼文島

眠い目をこすり、早朝5時半には起床。6時27分発の列車には乗らないと、次は3時間半後。北海道のローカル線の恐ろしいところだ。
ベーさんに挨拶できるかな?と思ったものの、流石に昨夜が遅かったこともあり、お寝坊の様子。また会いましょう!と、メッセージを送り、出発。たしかに設備はしょぼいかもしれないが、ベーさんの魅力が、また来たいと思わせる原動力になるのだろう。そんな気がする宿だった。

早朝の列車は、地元民が殆ど。まだこの時間帯なら、地域の足としての姿も見ることが出来る。元々は新幹線で使われていた、快適なリクライニングシート。不便さはあるが、ある意味、都会の生活から見ると贅沢な通勤風景なのかもしれない。


抜海を過ぎたところで、最北に来た証でもある、利尻島が見えるはずだが、今日は雲の中。実はこの日、風が強い予報で、先に桃岩荘へ乗り込んだ友人から「午後便は欠航だよ!」との連絡が。その人は早朝の便で礼文へ渡ったらしく、波が高くて船が揺れ、横の子どもが嘔吐して最悪の船旅だったらしい。
僕たちが乗る予定の昼前の便は動く予定らしいが、果たしてどうなることやら。

日本最北端の駅、稚内に到着。
以前来た時からは、駅前が整備されて少し駅舎も後退したのだろうか?それに伴い、最北の風情は少し削がれた気がする。
定番スポットの防波堤ドームへ行ったりもしつつ、礼文島での食料もここで調達。
桃岩荘は、今年は素泊まりのみの対応(昼食の弁当はあり)のためだ。

いよいよ礼文島行きのフェリーに乗船。やはり乗り場には、この便が本日最終便だという掲示が。これに乗り遅れたら、大変なことになっていた。寝不足もあって、カーペット敷きの一角をホニャラチームで占領し、みんな爆睡。気付けばもう礼文島・香深港入港直前だった。

着岸の瞬間前にデッキに出てみると、桃岩荘の旗を振りながらスタッフさんが迎えているのが見える。いよいよやってきた…という思いが込み上げる。
ふじポンも心なしか、いつもよりテンションが高くなっているような気がする。

昔はトラックの荷台に乗せられて、まさしく収容されるという表現がピッタリだったそうだが、今はハイエース。荷物を預けて僕らも車内に乗り込む。
出発の儀式を無事にこなして、香深の街中を案内を聞きながら進んでいく。そして島を東西に横断する、新桃岩タイムトンネルに突入。トンネル内でもとある儀式が!なかば強制的に、(このメンバーは持っていたかどうかは定かではないが)「知性」「教養」「羞恥心」をポイっと捨てさせられる。

さらに、このトンネルを境に、時差が生じているという案内が。桃岩荘は、「桃岩時間」と言われる、日本時間からは30分足された時間で動いているので注意が必要なのだそう。
海外の時差はしっかりとキャッチしてくれるiPhoneも想定外なのか、このトンネルを通過しても指し示す時刻は変わらない。(原則ここからの桃岩荘滞在中の時間表記は、桃岩時間で表します)
それにしてもこういった儀式の説明を、照れることなく淡々とこなすところに、桃岩荘の伝統の重みを感じる。

桃岩を見上げ、海岸には猫岩が見えると、いよいよ桃岩荘に到着だ。
クルマを降りると玄関前に整列し、スタッフさんが扉を開けると「おかえりなさい!」と盛大なお出迎え。
ちょっと照れ臭いながらも、ただいま!と中に入る。
早速、スタッフさんから滞在のガイダンスが始まる。色々と決まりごとが多く、覚えるのが大変だが、スケジュール的なのは大広間にも書いてあるのでそれを参考にすることもできる。
鰊番屋の建物をそのまま使っているという建物は、入り口から入って大広間で、その二階が男子ドミトリー、大広間の横にトイレや洗面など。地形に沿った階段の渡り廊下を上がっていくと、途中で女子ドミトリーへの分岐。もう少し上がったところが食堂とお風呂という構造だ。

因みに、基本的に2段ベットとなるため天井が低いのだが、運がいいことに僕があてがわれたベッドは、2段ベッドの奥部分にひっそりと位置する半個室のようなところで、天井が高いのがとても有難かった。

とりあえずお昼ご飯を海を眺めながら頂き、さてどうするか。
温泉にでも行こうかと誘うと、アーミーとふじポンは乗り、瑛美ちゃんは寝る!と、寝室へ消えて行った。
スタッフの招集が掛かっているからなんだろう?と思いながら歩き出すと、前方から数人の集団が。噂に聞く「愛とロマンの8時間コース」の参加者だ。
ふじポンによると、陽のあるうちにはたどり着けないようなコースだったらしいが、今年は短縮バージョンという情報も。
それにしても16時に到着とはなかなか早いなと感心。
後ろでは、スタッフさんが全力でのお出迎え。なんだか感動のゴールシーンを先に見てしまったような気分だ。

ゆっくりと海を眺めながら歩き、新桃岩タイムトンネル内は駅名しりとりをしながら通過。
香深の街中へと戻ってきた。
ちょっとスーパーを覗いたりもしつつ、礼文島温泉うすゆきの湯へ。いわゆるスーパー銭湯のような施設で、泉質はまあ普通。温度がアツいので、長湯したい派には向かないのが難点だ。利尻富士が見えるはずだが、今日は殆ど姿を見せない。早めに上がって、畳でゴロゴロを楽しむ。

最終の送迎便で桃岩荘へ戻る。ふじポンの同僚でもあるトロさんが、「めっちゃ夕日がキレイやったのに!なんでにつけ(ふじポンのこと)、おらへんねん~~」と悔やんでいた。
20時から始まるミーティングまでの間に、夜ご飯をササっと済ませる。
いよいよ噂に聞いたミーティング。例年なら、ゲストも一緒になって歌って踊っての楽しい時間なのだが、残念ながらそれも出来ないのが今の時世。スタッフさんが苦心して作ったであろうプログラムに沿って進んでいく。

ちょっとしたゲームや、島案内など。最後にはシート越しではあるものの、スタッフさんによる音楽の演奏。思ったよりもあっさりとした形で終わらせたのは、ミーティング後、消灯までの間に時間を作ってそこで交流できるようにという配慮だろうか?

その後、翌日の8時間コース&4時間コースの参加者向けの説明会。
8時間は厳しいかな?と思いつつも、話を聞いて決めようと参加。
僕らホニャラチームの他、今日、8時間コースを歩いた方(4時間希望)、8時間コースを是非歩きたいという若者が参加した。
説明を聞くと、やはり8時間コースはかなり悪路もあり厳しそうな内容。しかも、コース変更で、8時間コースだとスコトン岬には行けないのだそうだ。
そもそもスタッフさんによると、僕の装備(足袋)では、滑ったりする可能性があるのでおススメできないとのこと。
結局僕らのチームは、僕とアーミーは4時間コースに参加。瑛美ちゃんとふじポンは体力温存のため、不参加ということになった。

大広間に戻り少しお話しするも、就寝のオルゴールが鳴り始め、みんな蜘蛛の子を散らしたかのようにドタバタと就寝準備に入る。
スタッフさんも絶対寝かすぞ~!という気迫?で、最後の見回り。
明日は早起きなのでありがたく、直ぐに熟睡体制に入った。

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