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【新入社員研修の思い出】

僕の所属していた鉄道会社では、2カ月に及び、ミッチリと新入社員研修を行いました。最近、ホニャラノイエに来てくれていた学生さんが、同じ鉄道会社に就職し、研修で頑張っているということで、当時の思い出を色々と思い出してみようかなと思います。

因みにこの話で出てくる研修センターは、少し古い設備でもあったため、僕が入社した後数年の後に、取り壊し・他の場所にもあった総合研修センターへと統合となったため、今の跡地はショッピングセンターとなってるらしいです。

そんな新入社員研修の思い出を話していきたいと思います。

どんな生活?
基本的には2~3人の相部屋で、お風呂は共同。1日のスケジュールはしっかり決められており、時間厳守で動くことを要求されます。
週末は基本的には帰宅するのですが、自宅が遠方で不便なためといった事情がある場合には、そのまま滞留することも許されていました。
当然のごとく酒気厳禁で、タバコも決められた場所のみとなっています。

因みに最初の1週間は外出さえも禁止されるので、アルコールを飲みたい人には辛い時間だっただろうな~。僕には関係ないけれど。

新入社員だけでも、高卒12クラス、専門学校卒5クラス(だったはず)の総勢
ちなみに大卒は、新しい方の研修センターで行っていたそうです。

<1日のスケジュール>
音楽で叩き起こされ、まずは掃除タイム。そして、朝の体操のためグランドへ(雨天の場合は確か廊下で体操しましたな)
ラジオ体操…ではなく、それによく似た会社オリジナルの体操をしました。
そのお陰で、ラジオ体操をする時に少し違った動きをしてしまうこともあり、困ったもんです。
食堂での朝食のあと、あまりノンビリする間もなく授業開始となるわけです。

食事に関しては、若者向けにとにかくボリューム重視のものが多かったですね。
朝っぱらからハンペンを揚げて出された日には、別に焼けばええやん!と心の中で思いつつ頂いたことも。
2カ月の研修で、どんどん太らされたように思います。
まあ、途中から同室の悪友?を中心にひそかなブームとなった、消灯時間前のひと時にベランダでコッソリカップ麺をすする、カップラーメン同好会が一因であったことも否定はできません。
因みに、別の場所に新しくできた研修センターでは、サラダバーがあったりと、健康を意識した食事内容となっていたことを付け加えます(恐らく意見が多かったのだろう)

昼食を挟んで夕方までは授業。この時間は就業時間として、基本的に研修服で出席します。
そしてすぐに夜ご飯の時間、場合によっては課題にクラスで取り組んだりすることもありますが、それが無ければ束の間の自由時間になります。
ここで外出も許される(例外あり)のですが、そんなに長くない時間であるし、飲酒組はともかくとして大人しくしている方が多かったですね。
門限は確か22時、洗濯・乾燥、そして風呂もそれまでに終わらせる必要がありました。
そして22時30分には就寝というスケジュールです。

<ことあることにド叱られる>
とにかく、こんなことで?と思うようなことでも強烈に怒られていた記憶が沢山あります。
研修生活がスタートして間もないころ、こんなことがありました。
ある日、何も知らずに教室へ入ると、なにか只ならぬ雰囲気。
ん?と思ったら、昨日、二人が共同で乾燥機を使っていたところ、先にも少し触れた使用制限時間から少し遅れてしまったのだとか。
その件で相当こってりと絞られたのでしょう。
HRの時間に前に出て反省の弁と対策を述べ、しまいには泣き出してしまうという…
クラスメートもその雰囲気に呑まれ、ああ…深刻なことをしてしまったんだな…とう空気がクラスを包む。
あれ?そんなヤバいことなの??と思いつつ、時間厳守の厳しさを身をもって知らされるのでした。
しかし後から考えると、最初にやらかしてしまった小さいミスでもあるし、次から気をつけます。ごめんなさいで済むことじゃ??と。
それと同時に、小事を大事と捉え、過敏に捉えるという会社の体質もここに現れているのかもしれないと思いました。

僕自身が叱られたこともありました。
自由時間にキャッチボールをしようと友人を誘い、グランドへ。
すでに主だったところは埋まっていたものの、端に近いところは空いていたのでそのあたりでキャッチボールを始めました。
すると数分後。
校舎から全力疾走で4~5人の講師が向かってくるのです。
ん?どうしたんや?
と思っていたら、
「こら~~~!!!そこでなにやっとる!!!」
と大音声で怒鳴りつけられる。
えっ??と思ったら、隣のアパートに騒音迷惑とならないように設定されていた、使用禁止エリアに入っていたらしい。
確かにそのエリアの存在は知っていたが、ギリギリ大丈夫か?と思っていたところ。
しかし少しその禁止エリアに入っていたのだろうか。
確かに入った僕らも悪いのだが、やっぱりこれも疑問。
僕らは静かにキャッチボールしていただけで、寧ろその講師の怒鳴り声の方がよほど近所迷惑になりそうなものだが…
明確な立ち入り禁止ラインがグランドにあるわけでもないのも引っ掛かる。
そこまで言うなら、ここまではオッケー、ここからはダメとしっかりと明示するべきではないのか?
と思いつつも、そんな反論が出来るわけもなく、しおらしく反省するしかなかったのだ。
モチロン反省文を書かされたのはいうまでもない。

また、とある研修で別の施設に行くときもなかなか面白かった。
クラスの順番毎ににその研修があり、その施設の鬼講師が一発目で怒鳴ってくるから気をつけろ!という伝言が、先に行ったクラスから伝わってくるのだ。
教室の机が最初は少しバラバラに並べられており(たぶんわざと)、気にせずにそのまま着席していたらド叱られたり、挨拶が小さいとか、揃っていない!とド叱られたり…
僕らのクラスは最後の方の順番だったこともあり、「よし、完ぺきにこなして怒られないようにしてやろう!」と、妙にみんなの気合が入って、対策を立てていったのだ。
なんせ情報は先のクラスから入ってくるので、それに対しての対策・練習をみんなでやったような記憶がある。

そしていよいよ迎えた当日。
仕掛けられたワナを回避し、いよいよその講師が入ってくる。
一斉に気合の入った挨拶で迎える…
すると
「こら!お客さまに対してそんな大声で挨拶したらびっくりするだろう!もっと柔らかく!おもてなしの心で!やり直し!」
と結局怒られるのだった。もはや、あら捜ししてるだけでないの?一回は怒ることに決めているのだろうか(笑)
とはいえ、まあ聞いていたほどに怖かったわけでもなく、その後は無難に研修を終えた。
(僕らのクラスのインストラクターが、その講師のお気に入りだったという噂があったとか、なかったとか。真偽のほどは定かではない)

確かに、鉄道会社は安全を守るという面からも、ルールの遵守、時間厳守は大事なこと。
それは確かに、他の会社とは違う所かもしれません。
それでも後から振り返ってみると…え?そこまで怒られるようなことなのか???ということばかり。そういった面からも、会社のカラーに染める、かなり特殊な環境だったのかもしれないな…と思いました。

<さまざまな特別企画も!>
座学だけではなく、さまざまな課外企画もありました。
どれも共通して言えることが、チームワークを意識させるものが多い。
特に、新入社員が最初に配属される駅員は、周りの先輩社員にも助けられながら仕事をする。そして集団の中での動きというものになるため、個人プレイよりはやはり団体で進めていく仕事です。それを研修のうちから醸成させるわけです。
コマ地図(目印を簡易化して図で表したもの)を頼りにして歩いて、公園内に設定されたコースを歩いたり(雨で大変だったな~)
8耐ウォーク(8時間で32km歩く)という企画の中にも、区間ごとに目標速度が決められていて、それをチームみんなでコントロールしながら歩くことが求められたり。

大縄跳びにチャレンジするという企画もありました。放課後などにクラスで集まって練習し、どれだけ回数を飛べるか競ったものです。フォーメーションや、掛け声などいろいろとクラス内で検討して、回数を増やしていったように思います。とはいえ、高卒で元気満々なクラスには結局圧倒的に負けてしまいましたが。

<どんなことを勉強するの?>
基本的には机上教育が殆どです。僕の就職した分野が運輸業界ということもあり、運賃計算や営業基礎知識、また会社の歴史など、現場に入ってからではなかなか学ばないような内容です。
勿論、実践的な訓練もあり、列車防護訓練や、簡単な護身術といった内容もあったような。(もしかしたら車掌研修とごっちゃになっている可能性もあります(;’∀’)なにせ15年以上前のことなので)
外国人講師による、簡単な接客英語の授業もありましたね。
また時には駅などの現場の視察研修もあったりしました。机上教育よりも、やはり現地へ出向ける研修は少し楽しみな気分もありました。

旅行関係の学科に通っていたこともあり、基礎的な知識はすでに身に付けていた部分がかなりあり、そういった面では助かりました。
時刻表が読めたり、ピンク色のページの営業知識をある程度身に付けておくだけでも、一歩リードはできそうです。
テッチャンが集まるのかと思いきや、半分以上は鉄道などそんなに興味もないという、非鉄な仲間たち。そこは既に知っているメンバーで助け合ったりして、時折実施される小テストをクラスメートで乗り越えたりしました。

<いよいよ配属!>
そんな2か月の研修生活も、長いようであっという間に終わるものです。
飲み会も何度か企画されましたし、もう研修も佳境…という時にはボーリング大会!と、大変なことばかりではなく、楽しい思い出も。
流石に、会社を退職した今では疎遠になってしまいましたが、現役時代は休みの日を合わせて一緒に旅に出たりするような友人も出来ました。
僕たちの研修クラスは、さまざまな勤務地へと分散することが決まっているので、なかなか全員が集まることは厳しいでしょう。
僕は、ターミナル駅の勤務が確定。ただし、現場に配属されてもまだ直ぐに勤務に入るわけではなく、もう暫くの日勤業務でより実践的な机上教育等を行ったうえで、ようやく実業務に就くことになるのです。


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