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真夏の太鼓日記(その6)

お盆の真っただ中の8月12日、エミポンにホニャラを任せて出発。
この日はチェックアウトもあるほか、チェックインの予約が入っていたことから、僕単身で神戸へと向かうことになる。
大和太鼓チームの他のメンバーも所用が入っていたりして、こちらのチームからは3名での参戦だ。
前回と同じくレンタカーを借りて、神社にて積み込み。2台で神戸へ向けて出発だ。
二日前に一緒に共演してくれた、舞の美緒ちゃんもお見送りに来てくれる。

お盆ということもあり、余裕をもって出発したが、ありがたいことに大阪方面の道は思ったよりは空いている。しかし反対車線は断続的に渋滞しているところもあり、やはり人の動きが活発になっているのを感じる。
SAでの休憩を挟んで、インターを降りてからの渋滞に巻きもまれたりもしながら神戸酒心館へ到着だ。

名前の通り、ここは酒蔵さん。詳しくは知らなかったのだが、元々は酒蔵だったところをホールとして改装したのだとか。
蔵の和の雰囲気がとても趣が良く、太鼓の演奏に相応しいホールだ。
サクッと昼食を食べ、念入りな縁や甲南大学の和太鼓チームのリハーサルを聞きながら、少し昼寝したり、探検してみたりと過ごす。
周辺地域の昔の写真パネル展示があり、路面電車時代の阪神電車や、昔の国鉄の駅の写真などもあり、なかなか面白かった。

ホールをちらりと出てみたら、お土産屋さんもあったので、せっかくなのでとエミポンへのお土産もゲット!酒の本場・灘の酒蔵ではあるものの、下戸なためお酒には用がないが、地元の物産も少ないながらあった。


さていよいよ本番が近づく。入り口で迎えると、開場と同時に次々とお客さんが入ってくる。先週の甲南大学での演奏の様子が新聞に取り上げられたらしく、その効果もあるのか。
それだけではなく、甲南大学の円さんの教え子も駆けつけてくれたりしたようで、久しぶりの再会を懐かしむ声があちこちで聞こえる。
さながら同窓会のようだ。小さめの会場ながら、ほぼ満員御礼の盛況だ。

僕らの演奏はそつなく?終わり、本御所の縁、そして甲南大学の演奏。ここでも縁は先日の揖斐での演奏と同様、元寇のストーリーに沿っての演奏。
この短期間でまた練習してきたのか、なんか以前よりも演技の迫力が増している気がする。


ラストはやはり崇音。舞台が狭いこともあり、ギュッとみんな小さくなって準備。1つの太鼓に2人とか3人が加わる異例の態勢だ。というのも、OBの方たちも客席から飛び入り参加を促したということもある。
こんな態勢でできるの?と思うが、そこは阿吽の呼吸か。むしろ会場の一体感を感じられ、とても心地よい演奏をすることが出来た。

無事に終わった!というところで、なんとなく予想できたが、また江美子さんがもう一曲叩こう!と提案。最後だしな…という思いもあり、まったく叩いたことのない曲ではあるが、うろ覚えの記憶を頼りにこっそりと隅っこで参戦。今度はしっかりと練習して、みんなでアンコール曲を叩けるようになるといいな…と思った。

ここで縁のメンバーとはお別れだ。彼らはここから少しだけ、何グループかに分かれて旅を楽しんでからフランスに帰国するらしい。
また、今回寄贈を受けた太鼓も、一部はフランスへと渡って現地で大切に使われるのだとか。行きは縁メンバー+大量のキャリーバックなどの荷物+大和太鼓3人+太鼓
という大量の荷物の大移動だったが、帰りは身軽なモノ。

江美子さんと空港へと太鼓を送る手続きを済ませ、(ケースが対応できない!と言われるというトラブルはあったが、なんとか無理を言って送ってもらえることに)
帰り道は、あれだけ満載だった荷物がガランとして寂しいものだ。

途中のSAからは、一緒に乗っていたさよさんも円さんの車に移ってもらい、僕単身で帰路を急ぐ。ホニャラではゲストさんとエミポンが待っている。
後から聞いた話、円さんの車はこの夏の酷使が影響してか、高速を降りた後にエンストを繰り返していたらしいが、なんとか無事に神社へついたとか。行きでなかったのは、ある意味奇跡。円さんの神主パワーか?
ともあれ、無事に夏の太鼓ウィークが終了した。


今まで他の太鼓チームと共同で演奏するという機会はなく、今回が初めてだった。歴史の違いがあるとはいえ、縁のレベルはとても高く、こんな演奏ができるとカッコいいな~と、思わされるものばかり。
技術はおいおい身に着けるとしても、表現だとか、迫力というのは単に演奏するだけではないところに観客に訴えかけるものがある。
逆に、彼らも僕らの演奏から刺激を受けたものがあるとのことで、それも嬉しい。
今度はフランスに来てね!といわれているので、ぜひそんな機会が来るまでに、もっと腕を磨かねば…と思うのだった。

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