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オランダからのご家族滞在記(その3)

【おおの散歩 後編】
もう少し歩くと、茅葺の古民家を見学できる、牧村家住宅だ。
閉まっていることもあるが、空気の入れ替えもかねて開放中。今日は運がいい。


一歩入った時のひんやりとした空気感は、ホニャラノイエ以上の涼しさを感じる。暑さで火照った体にも良い休息になる。
日本の暑さは大丈夫?と聞くと、だいぶ日本の暑さに慣れてきたようで、大阪はもっと暑いと感じていたらしい。やはり、都市部と田舎で見ると、同じ気温でも田舎の方が涼しく感じやすいのだろうか。



もう少し歩いて、野古墳群に到着。大野町内には古墳群があり、そのなかでも一番見やすい古墳群だ。一番大きい古墳に登って全景を眺めたり、古墳時代(古墳)・江戸時代(切り崩してできた石垣)・昭和時代(てっぺんの寺)と、三世代がミックスされた古墳を眺めたり。

しかし、ここで一番興奮していたのは竹藪。
オランダには竹がないらしく、おお!これが竹林か!と、とても喜んでいた。


何の変哲もない・・・というより、寧ろ放置されて荒れ気味の竹林なのだが、ビューティフル!と、喜んでいる。まるで、京都・嵯峨野の竹林かのような興奮だ。
何気ない日常の一コマが、見る人が変わればまた違った捉え方をされるのだな…と思った。

ゴール地点の、山のたもとにあるふがりの泉に到着。水を飲んでちょっと休憩、ほどなくしてエミポンが車で迎えに来てくれた。
リサイクルショップに行ってみたい!というので、サンタの倉庫に行ってみることに。するとジャックリンが大興奮!マーシャルによると、オランダでも中古ショップは大好きなのだとか。その間、僕はクーラーと扇風機の風を浴びてちょいとクールダウンだ。

鉄瓶を買いたい!というので、商店街(シャッター街)の中にある、まだ頑張っている古道具屋さんへ。もしかしたら、外国人がここに立ち入るのは初めてかもしれない。残念ながら、鉄瓶はなかったものの、掛け軸も欲しかったようで、お願いすると巻いてあるものも店主さんが箱から出して見せてくれる。奥さんも出てきてくれて、二人がかりでヒートアップし、次々と掛け軸を見せてくれる。多分、普段はあまり人が来ないので、嬉しいのだろう。
ジャックリンが、これに決めた!と言ってからも、暫く箱を開ける手が止まることはなく、お二人も「もう決まっているんだけどなあ・・・」という感じで苦笑い。ようやく手が止まったところで掛け軸をゲットして帰路についた。

【手巻き寿司パーティー!】
少し休憩して、スーパーへとお買い物。日本のスーパーも見てみたいようで、マーシャルも一緒についてきた。
翌日からは外に出ることになるので、ホニャラで食べる夕食はこの日が最後の予定。みなさん、魚が好きということなので、自宅で簡単にできる寿司スタイル・手巻き寿司とすることにした。

生鮮ものが得意なスーパーで買い物。マーシャルも、なかなか安くて良いもの売っているね!と喜んでいる。
帰りにガソリンを入れに行ったとき、最近日本はガソリン代が高くなって困っているんだよ~と言ったら、オランダもそうだよ!こっちはリッター340円だよ!
とのこと。物価を考えてもさすがにそれは高い。日常的な買い物などは、車を使わず、自転車をメインにしているらしい。確かにその方がエコだし、車が必須な田舎暮らしとはいえ、少しずつ自転車を使うことも増やしていかないとな…と思う。


ホニャラに帰り、さあ作るか。折角なので、ご飯はかまど炊きで。マーシャルが興味深そうに見守ってくれる。これがジャパニーズトラディショナルスタイルだ!さらに、エミポン主導で寿司飯や卵焼きなどを作る。マーシャルは料理が好きらしく、一緒に手伝ったりして、日本料理を吸収しようとしている。

そうして完成!みんなで手巻き寿司を楽しむ。そういえば、ダニエルのお家でも手巻き寿司をやったよな~と思い出す。握り寿司は美味しく作ろうと思うと技術が必要だが、これなら誰でも気軽にできる。生モノが苦手でも、シーチキンやカニカマなど、好きな具材を入れればオッケー。海外への日本食文化を広めるには、手巻き寿司は一つの気軽な手段だなと思う。

食べ終わったら、みんなで温泉へ。とはいえ、息子さんのデンシルとジャスティンは、裸で入るのには抵抗があるらしくお留守番。
マーシャルと共に温泉へGO!ざっくりと説明して、サウナへ入ったら、マーシャルも一緒に入ってきた。
先客さんは突然、ノッポの外国人の登場にビックリした様子。
本人が先に出て行ったところで、「お連れさんですか?どこから?」などと自然に話題になる。
まあこんな田舎の温泉に外国人が来ることは少ないだろうから、ビックリするのも無理はない。
マーシャルは温泉初体験だったらしいが、めっちゃ気持ちいい!と、ご満悦していた。

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