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<番外編>タイ国鉄南線・鈍行列車旅のススメ 前編

なかなか旅行者が乗っているイメージのないタイ国鉄の普通列車。
しかし、その魅力が知られていないのはとても勿体ないし、今後、近代化が進んでいけば、今の良さも失われていく可能性がある。
都合5日間を通して乗車したタイ国鉄普通列車旅を通して感じた、現地の実情を纏めたので、ぜひ参考にしてもらいたい。

<切符の買い方から乗車方法など>
前売りという概念は存在せず、基本的にどの駅でも、当日の発車前に窓口に出向いて乗車券を購入する。基本的にはクレジットカードも使えることが多かったが、時々断られることも。
また、高額紙幣(1000バーツ)もまさかの拒否されることがある。
(屋台でも快く受け取ってくれるところもあるのになんでやねん!!)
なので、100バーツなどの細かい紙幣を用意しておいた方がいいかもしれない。
また切符を購入する際、タイ南部の駅では必ずパスポートの提示を求められた。(スンガイコロク・ハジャイ・タンヨンマット)
なお、様子を見ていたら車内でも発券していたので、車内で買うことも出来るだろう。


切符は薄い紙きれに、乗車列車と区間など、そしてQRコードが印字されたものが渡される。


当然、整列乗車なんてものは存在せず、列車が到着すると、各自で乗車口にドバっと向かう感じ。
もしも、乗車ホームがない側に自分が居て、列車が侵入してきてしまっても大丈夫。ホームが無くても問題なく乗り降りすることはできるので、慌てて直前横断などしないように。
一部のターミナル駅(ハジャイ駅)では、地下道が整備されている(ただし地上の構内踏切も併用)ので、構内踏切が使えないとき(ガードマンが閉鎖している)は、素直に指示に従おう。

車内では乗車して暫くすると、車内改札がある。
とはいえ面白いのは、日本の車内改札のように座席表にメモを取りながら改札をしているわけではないので、結構アバウト。
切符を持って準備している人はモチロン改札していくが、ボーっとしていたら、普通に通り過ぎていくことも。
切符への検印の入れ方も車掌さんによって異なり、鋏をカチカチ鳴らしながらやってきて、パチンと入れてくれたり、ボールペンで券面にチェックする方式だったり。


<運行ダイヤ>
非常に本数は限られているので、事前に時刻表のチェックが必須だ。
一応、タイ国鉄のホームページでも確認できるものの、日本から接続するとかなり回線速度が遅くなる設定らしい。
なので、非公式ではあるものの、以下のページを参考にして計画を立てた。
日本式の時刻表になっているので、とてもわかりやすい。

https://thai.tabitabi-asia.com/index.php

実際に乗車してみて、ハジャイ~バンコク間は正確で乗車した範囲では間違いなかったものの、ハジャイ~スンガイコロク間はまだダイヤ改正を反映していない(情報がない?)のか、一部で時間がズレているところが見られた。(2024年7月現在)
なので、ある程度の参考までに留めた方がいいかもしれない。

基本的には、南線の長距離普通列車は日中のみの運転で、概ね長距離列車においては6時などの朝早い時間に出発し、17時頃に到着するようなダイヤが基本。
他の各線区を見ても、長距離列車に関しては、同じような感じのところが多い。恐らく、バンコク近郊を除くと通勤・通学利用は想定しておらず、長距離利用者に向けたダイヤになっているのかと思う。

朝6時・・・早起きするなんて…と思われるかもしれないが、車窓をなるべく楽しみたいのなら寧ろ好都合だし、朝の涼しい時間帯から乗車できるのもまた良いもの。徐々に気温が上がっていくため、非冷房車両の暑さに身体が順応しやすいと思う。

また、早めに宿に到着して、夜市などのグルメを楽しんで、翌朝に向けて就寝という感じで楽しめるという考えも。


因みに、最短でバンコクから乗り継いでいこうとしても、ハジャイで2日、スンガイコロクまでは3日を要する。(逆方面も同様)
南部へ鉄道で移動する場合、基本的には夜行の特急・急行・快速を利用することになり、特にフアヒン~スラタニ―辺りは深夜に通過してしまうようなところである。
そのような区間の昼間の景色を楽しめる良い機会にもなるのがメリットだ。

定時性に関しては、まあまあ正確に運行されていると思う。勿論優等列車が優先なので、その影響での遅れは発生しがち(特にチュムポーン以南の単線区間)ではあるが、今回の旅では最大で40分程度の遅れ。しかもその理由が倒木にぶつかったためと明らかである。
それ以外の理由(行き違い列車遅れや、運転整理)では最大で20分程度の遅れであった。

<車両について>
長距離を走る普通列車に関しては、例外なく機関車牽引の古い客車だ。
但し、バンコク近郊の区間運転列車には、気動車列車も運転されているので、時間があれば乗り比べてみるのも面白いかもしれない。
チュムポーン~バンコク間は本文でもあるように、近代化工事が進んでいる区間。
地上に降りるためのステップ付が基本なので、高床ホームが使用されているところでは、ステップが掛けられている。しかし結構不安定なだけでなく、車両によっては頭をぶつけてしまう危険性があるので、気をつけないといけない。


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