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雑記

 氷河の侵食によってできた複雑な入江や湾のことをフィヨルドと呼ぶらしい。
 氷河によって山と山との間が削られ、U字谷ができ、そこに海水が溜まる。

 かつてそこには巨大な氷の塊があった。
 今の僕では想像も難しいくらいに大きな氷の塊。
 それでかき氷なんかを作ろうとしても、きっと、一生かけても消費しきれないであろう量の氷。
 もしも、この夏の間だけ、その塊を自由に使ってもいいと言われたら、どんなふうに使うだろう。
 食べるか、溶かして飲み水にするか。あるいはそこで暮らせるように、削って、空洞を作って、建物のようにするか。
 きっと氷同士の冷気で、そう簡単には溶けないだろうから、夏は乗り切れるだろう。もしかしたら氷の生み出す冷たい空気のせいで、夏の暑さが和らいで、ずっと秋みたいな気温になってしまうかも知れない。
 夏の暑さに辟易している人にとっては嬉しいことかもしれないけれど、僕にとっては少しさみしい。
 
 


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