5G線上のアリサ【第1章#2話】
#2話:愛利沙の仕事〜フォロワー数が100万人になるまで
【視聴時間=03:00】
と。
だけど人生はクソみたいなゲームだから、時間は決して巻き戻せない。
保険も入っていない。
巻き戻しと言えばお父さんが、
昔買ってくれたウォークマン。
カセットテープが擦り切れるほど、
聴いた頃が懐かしいなぁ。
インフルが収束をした、
このご時世の子供たちに、
そんな話をしても
が浮かぶように老人たちに、
5GやIOTの話をしても付いていけない。
この文字を見て
「ごじー」や
「ろっと」
「じゅってぃー」
と言ったそこのあなた。
あたしが個人経営をするパソコン教室に来るといいわ。
インターネットやスマートフォンが苦手な人の
を
にするのが仕事。
職場は岐阜県揖斐郡池田町の、
“スーパーイノンタウン”。
隣接された空き店舗を借りたことが始まりなのよ。
日本全国に5G回線が田舎にまで行き届いた、バーチャルリアリティーメガネの装着が当然。
スマホと同期/リンクしたから、IT革命の置き去りとなったお年寄りのヘルパーだけどーーー
両親が死んで働きだして35年間生きてきた、知識とノウハウ頼りに始めた教室も5年目に突入をした。
創設当初の古参生徒やリモート生徒に祝われながら、今日も授業が幕を開いた。
忌々しいインフルで世界中、ネット環境と国の在り方、政策を変えてから、5年が経った。
四月上旬、池田山の桜をドローンで見渡しながらーーー
今日も空にはドローン配達が数百機飛び交いながら、自動運転が最短ルートを検索しながら行き交いしている。
こんな場所で良ければ気楽に体験入学しに来て。
待っているから。
スマホを開けばいつでも会える。
あたしたちは賑わっている。
アリサのパソコン教室では今日も元気にお爺さんや、お婆さんが世の中の変化に付いていこうとしているから。
『”Powerdrive”perfomed by Yan Perchuk,used under license from Shutterstock』
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