2020個人的ベストアルバム5選


※掲載順は適当である。


1. Grimes "Miss Anthropocene"


おすすめのトラック:03,05,10

満を持してリリースされた通称"FAIRY QUEEN"、Grimesの新譜。前回のアルバム”Art Angel"のポップな雰囲気を残しつつ、トラック01,07からは前作にないダークでミステリアスな空気が漂っている点が特徴的。今や"Geidi Primes"や"Halfaxa"の頃の幼さやアンビエントな一面は薄らいでいるとはいえるが、これまでとは違う壮大でコズミックな空気漂う作風となっている。アルバムを通して聴くと、トラック01,02のヘヴィで暗い曲調からトラック03への豁然とした変化は一聴に値する。03はMVと併せての視聴を強くお勧めする。


2.Squarepusher "Be Up A Hello"

おすすめのトラック:01,03,07

コーンウォール発・ドリルンベースの大家による新作。前作"Damogen Furies"に比べるとややメロディアスな曲が多いが、それでも刻むビートと音の鋭さに変わりはない。トラック07は必聴。5分未満の曲ではあるが、徐々に盛り上がっていく構成の巧みさは健在である。


3.Autechre "PLUS"

おすすめのトラック:05,06,09

”SIGN”に続く今年2枚目のAutechreの新譜。こちらはB面のようなものだろう。簡単に言えば、「いつものAutechre」という感じである。浮遊感ありつつも絡みつくような電子音の連続からなる曲もあれば、うねりを持ったビートにやや悲壮感の付随する曲もある。どれもが”Autechre”という記号そのものであり、その音楽は腐敗を知らない。


4.Intervals "Circadian"

おすすめのトラック:01,04,08

カナダのプログレッシブ・メタルバンドIntervalsによる新作。前作のアルバム"THE WAY FORWARD"では、"Touch And Go"や”Belvedere”といった彼らの代表曲と呼ぶべき楽曲を数多く生み出した。今作では、今までのキャッチ―なメロディと軽やかなリズムはそのままに、特にトラック08ではより技巧的なギターサウンドを楽しむことができる。これからの活動に期待が高まる。


5.Antihoney "Secrets"

おすすめのトラック:05,06,10

2006年に消息を絶ったソロアーティストAntihoneyが、2019年に待望の復活を果たした。2019年には過去作を再編したアルバム"DENDRITE"をリリースし、今年には、新曲を含めたアルバム”Secrets”がリリースされた。孤独感、寂寥感とノイズが前面に出されていた旧作の作風から変わって、幻想的な空気感は残したままやや清涼感のある作風へと生まれ変わったようだ。カバー曲であるトラック10の"Ebben"は本作を方向付けるようなトラックである。また、美しいヴォーカルをよりクリアに聴き取ることができるようになったのも魅力の一つである。


以上、2020年にリリースされたアルバム5作品を紹介した。ジャンルの統一感の無さとエレクトロニカ方面への偏りが酷いのはご容赦頂きたい。

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