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文のねじれ

電車に乗っていると、次のような車掌の放送を耳にすると思います。

*停まります駅は新橋、品川、大船、藤沢、茅ヶ崎、平塚、国府津に停まります。

これは日本語としてはまずい文です。間の停車駅を減らして、

*停まります駅は国府津に停まります。

とすれば、違和感があることにすぐに気づかれると思います。主語と述語とが対応していないからです。したがって、次のいずれかに改める必要があります。

停まります駅は新橋、品川、大船、藤沢、茅ヶ崎、平塚、国府津です。
この電車は新橋、品川、大船、藤沢、茅ヶ崎、平塚、国府津に停まります。

文の主語と述語とが対応していない現象を「文のねじれ」といいます。主部と述部が離れている日本語特有の難しさといえるでしょう。特に一文が長くなると、主語に何を書いたかという意識が薄れてしまうため、ねじれた文を書いてしまいがちです。文のねじれを防ぐには、主述関係を絶えず意識すること、通して読み返してみること、それからなるべく短文を心がけることが大切です。

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