「会議で資料をハイフする」
カタカナの部分、漢字でどう書きますか。
日常の仕事でもよく使うこの言い回し。でも実際に正しく書ける人は意外に少ないようです。
正解は「配付」です。
「配布」と書くのをよく見掛けます。しかし「布」には、「布教」「流布」のように、「広範囲に広がる」(『全訳漢辞海』)という意味がありますから、これは不特定多数に配るときに使うものです。例えばこんな風に。
一方、「配付」の「付」は「与える。さずける」(同)という意味です。会議の資料は所構わずあちこちにばらまくものではなく、決まった対象の人に渡すものです。だから、冒頭の答えは「配付」なのです。
ところで、公用文では一部の例外を除き、上記いずれの区別もなく「配布」と書くと決めているそうです(平成22年内閣訓令第1号「公用文における漢字使用等について」)。これがある種の権威となっているのですから、困ったものです。お役所の言葉遣いが常に正しいとは限りませんから、注意してください。
それはともかく、ばらまくならば「配布」、対象者を限定して配るならば「配付」と覚えてください。
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