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常体と敬体

現代日本語の文体には、大きく分けて常体と敬体とがあります。

常体とは、文末が「……だ」「……である」で終わる文体のことです。読み手をあまり意識しない書き方で、あたかも考え事や独り言のような印象を与えるので、評論や主張など自身の思想を表現するのに向いています。

敬体とは、文末が「……です」「……ます」で終わる文体です。話しかけるような調子になり、読み手に歩み寄るような印象を与えるので、わかりやすく説明したり親近感を持たせたりするのに適しています。

文章全体では、原則としていずれか一方の文体に統一します。常体と敬体とが混在していると、書き手自身の考え事なのか、自分に話しかけているのかわからないといった印象を読み手に与え、違和感をもたれてしまうからです。もっとも、次の例のように、独語調の常体と対話調の敬体それぞれの違いを活かして、修辞的な技法として混在させることは可能です。

何で私だけがこんな目に遭わなければならないのだろう。そう思うこともしばしばでした。

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