作品名の書き方、こんなときどうする?──書籍の場合

「note」に限らず、ウェブ上や印刷媒体で文章を書くとき、文献を参考にすることがあると思います。その際、読者に正確な情報を提供するためにも、文献の記述方法を知っておくことは重要です。

今回は書籍名の書き方についてです。

まず、著者名と書名は最低限書きましょう。書名は二重鉤括弧(『』)で挟みます。著者名の後に「著」は不要です。

夏目漱石『坊っちゃん』

学術論文などで、より詳細な情報が必要な場合は、出版社名、出版年を続け、読点「、」で区切ります。最後に句点「。」を忘れずに。

夏目漱石『坊っちゃん』、岩波書店、1929年。

共著書中の独立した題名は鉤括弧(「」)で挟み、所収されている本の情報を後に続けます。

大津留(北川)智恵子「アメリカ市民社会と戦争」、菅英輝編著『アメリカの戦争と世界秩序』、法政大学出版局、2008年、217―246頁。

副題があるとき、印刷媒体では倍角にしたダッシュ「—」(U+2014)で本題と結びます。ウェブ上では倍角にできないので、代わりとして横細線素片「─」(U+2500)2文字分を使うと、大抵のフォントで繫がった線を書くことができます。

マイケル・J・ホーガン編(林義勝訳)『アメリカ大国への道──学説史から見た対外政策』、彩流社、2005年。

文庫や新書などの叢書名は、書名の直後に丸括弧「()」(U+FF08、U+FF09)で表示します。

曽村保信『地政学入門──外交戦略の政治学』(中公新書)、中央公論新社、1984年。

書名に鉤括弧をつけるのは、文中で一般名詞との混同を防ぐためです。また、2つの鉤括弧を使い分けるのは、書籍における包含関係を明確にするためです。

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