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言葉の覚え書き

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2022年11月の記事一覧

読めますか?──「人間青山」

ジンカンセイザン。 幕末の僧、月性(1817―1858年)の詩「将東遊題壁」にある「人間、到る処青山あり」から。 「人間」は人の世すなわち世間、「青山」は墳墓の地。 骨を埋める場所などどこにでも見つけられるのだから、故郷を離れて広く活動すべきである、という意味です。

「狂乱怒濤」?

正しくは「狂瀾怒濤」。 「瀾」も「濤」も大きな波の意。荒れ狂う波のように、ひどく混乱しているさまをいいます。 「狂瀾を既倒に廻らす」は、波を押し返す意から転じて、傾きかけた形勢を元に戻すことです。

読めますか?──「行雲流水」

コウウンリュウスイ。 漂う雲と流れる水のように、自然の成り行きに任せる様子を意味します。

「1箇所で『寸断』」?

「寸断」とは「きれぎれに断ち切ること。ずたずたにきざむこと」(『広辞苑』第七版)ですから、本来は複数箇所が断ち切られる場合に用いる言葉です。

「すべき仕事」? 「するべき仕事」?

「べき」は、義務を表す助動詞「べし」の連体形で、用言の終止形の後に続きます。 文語「す」の終止形を使うなら「すべき」、口語「する」の終止形を使うなら「するべき」となります。したがって、この2つは動詞における文語と口語との違いでしかないので、どちらでもよいということになります。硬派な内容なら「すべき」、読みやすさを重視するなら「するべき」というふうに、目的に応じて使い分ければいいでしょう。 但し、「べき」は連体形で、必ず体言の前に使うものですから、文末に来ないように注意して