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言葉の覚え書き

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2022年9月の記事一覧

読めますか?──「膾炙」

カイシャ。「膾」は「なます」、「炙」は「あぶ(る)」と訓読みします。 生肉の切り身とあぶり物は多くの人の口に合うことから、「人口に膾炙する」の成句で、世間に広く知れ渡ることをいいます。

「印章」「印影」「印鑑」

「印章」は、文字などが彫刻された、手に持つ本体のこと。 「印影」は、紙などに残る、印章で押した跡。 「印鑑」は、印影の真偽を見分けるための照合用の見本。印鑑登録で役所に保管される台帳がこれに相当します。「鑑」は見分けるしるしの意。 したがって、素材に彫刻したもの(印章)を「印鑑」と呼ぶのは本来は誤りです。

「オンプレミス」?

最近では、インターネットなどを介して外部のコンピューター設備を利用するクラウド・コンピューティングが滲透していますが、従来は構内にサーバーなどの機器を設置して情報システムを運用する、オンプレミスと呼ばれる方法でした。 ところで、この「オンプレミス」という言葉、ちょっと変です。確かにpremiseには「敷地」「構内」という意味がありますが、その場合はpremisesと複数形で用いられます。単数形でpremiseと言うと、「前提」「根拠」という別の意味になってしまいます。 し

「脅迫」と「強迫」

この2つには意味の重なるところもありますが、一般的に「脅迫」は相手を脅す、「強迫」は無理強いをするという点で区別します。 法律上では、「脅迫」は刑法上の概念、「強迫」は民法上の概念とされています。