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教員になろうと思ったときの話をしようか


なぜ教員になったのですか。
なぜ教員を続けているのですか。


あんまり他人と話をする機会がないのですが、僕はこの問いに興味があります。なぜなら、僕自身がいつもこの問いと向き合い続けているからです。


突然ですが、教員の読者の方、みなさんはなぜ教員になったのですか。なぜ教員を続けているのですか。教員以外の読者の方、なぜその職業・立場に就いたのですか。なぜその職業・立場を続けているのですか。


Twitterを見ていると、学校の教員の仕事に対する不満がたくさん見られます。夜遅くまで働いて、心身ともに疲れ切っている方もいます。読んでいると「確かにそうだよな」「大変そうだな」と思う部分もあるのですが、いつも次のことを思います。


そんなに嫌なら、体壊しそうなら、教員を辞めればいいじゃん。


決して、冷たくあしらおうとしているわけではありません。教員を志し、続けていきたいという願いの反動なんだろうなと想像つきます。でも、教員以外にも職業なんていくらでもあるわけだし、教育関連なら学校の教員でなくても道はたくさんあるはずです。僕の知り合いや友人にも教員を辞めて別の道に進んでいる人は結構います。続けるのも、辞めるのも自分次第なんだから、教員が嫌なら辞めればいいし、体壊すくらいまで働く必要はないと思います。

僕自身、育休を取った時くらいから、教員以外の道も検討しているし、自分の身が持たなければ、教員の仕事を辞めてもいいと思っています。幸い、教員免許はなくならないし、教員不足はしばらく続きそうだから、別の道でうまくいかなくても、職に困ることはないでしょう。

それでもやっぱり教員を続けているのは、自分にとって教員という仕事にメリットがあって、自分の人生にプラスになると考えているからです。そして、教員の仕事を選んだのは、自分自身です。

canvaで作成 写真はイメージです

僕は元々、教員志望ではありませんでした。たまたま教員養成系の大学に入学することになりましたが、全然やる気なし。周りの「先生になりたい」という気持ちについていけず、僕のようにたまたま大学に入ってしまった人とよくつるんでいました。


そんな僕でも教育実習という経験は、大きなものでした。「俺、もしかしたら教員できるかも」と思ってしまったのです。逆に「教員は無理だ」と思う人もいたようですが、僕は自分にあっているような気がしました。


それでもやっぱり、教員を本気で志すことはできず、採用試験を受けずに大学卒業を迎えることになりました。ぼんやりと大学院に行くか、フリーターをするか、期限付き教員でもやって、そのうち考えればいいやと思っていました。


結局、そんな甘い考えは通用せず、大学卒業後、無職。いくつか受けたアルバイトの面接は落ち、たまたま通ったのが契約社員の仕事でした。


その仕事を始めてから、世の中には個性とか働きがいとか関係なく、とにかく「人員が必要」という仕事があることを知りました。僕が職場にいようがいまいが、僕がどんな働き方をしようが無関係。結局一ヶ月も持たず、別の仕事を探しました。


結局、見つかった仕事は、また別の契約社員の仕事。その仕事は前の仕事よりも、まだ自分の個性とか働きがいにつながる部分はありましたが、やっぱり無機質な感じがしました。ちょうど一緒に働いた方と話をしていると、僕のように無目的に生きていてこの仕事にたどり着いた人もいれば、自分の将来のために一時的に働いている人、本業がオフシーズンなので働いている人、家族がいるから頑張って働いている人・・・いろんな人がいました。


そして、よく聞かれました。「教育大学卒業なんだ。先生ならないの?」当然といえば当然の質問ですが、僕に取っては将来を考える大きな質問でした。自分は一体何をしたいのか。何が合っているのか。


その時に思い出されたのが、教育実習の時のことでした。歌ったり、踊ったり。一緒に遊んだり、学んだり。悩んだり、笑ったり・・・そんな「人間らしい」「心が動く」仕事が自分に合っていると思いました。

そして、僕は周りの同僚に言うようにしました。

僕は次の春から、地元に戻って教員になります。

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それから十数年、僕はいまだに教員を続けています。何で教員になったのかというと、自分に合っていると思ったから。なぜ教員を続けられているかというと、自分で選んだから。


それだけです。結婚して家族ができてから、家族を養うためとか他にできそうな仕事がないからとか、挙げれば理由はいくつかでてきそうだけど、その理由は別に教員でなくても言えることです。


教員はブラック

学校の勤務実態はひどい


そんなことを言われるようになりましたが、僕はあまりそう思いません。無職で全然仕事がなかった時、契約社員で働いていた時と比べたら、仕事にやりがいはあるし、身分や収入も保証されていて、福利厚生もしっかりしています。

敢えて言えるとしたら、若い頃に多くの教育書を読み、試行錯誤したこと
尊敬できる先輩方に出会い、指南を受けたこと
志を高く持つ仲間に出会えたこと

そして、子どもたちや保護者との出会いと思い出
これらが僕が教員を続けることができている理由でもあります。

ただ繰り返し書いているように、僕はいつだって教員以外の道を検討しているし、体が持たなければ仕事を辞める気でいます。僕にとって大事なことは、自分の心が動く生き方をすること。教員の仕事がそれを満たしていると思いますが、それ以外の道でも可能なはずだと考えます。

実はちょっと気になっている仕事がいくつかあるのです。実現可能かどうかは分かりませんが、今の仕事を続けながらスキルアップを目指しています。


なぜ教員になったのですか。なぜ教員を続けているのですか。

どこかで話をしたいものです。


↓このブログ記事を書くきっかけとなった本


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