夢のゆくえ -銀河鉄道の夜- ⑦
第七章 脱走
船着き場までたどり着いた二人は、さっそくどこかに妹がいないかさがしてみることにしました。
停泊している船の前にはたくさんの人が列を乱すことなくならんでおり、乗船する順番がまわってくるのをじっと待っています。ならんでいる人たちの顔をみると、大半は老人ばかりにみえましたが、なかにはぽつりぽつりと若い男女や幼い子どもたちの姿も混じっていました。みんなぼうっとうつろな表情をうかべたまま前方だけを見つめ、だれも二人のほうを見向きもしません。ただ、その中に妹らしき女