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映画から学ぶ「キャリアデザイン」&「リーダーシップ」 「フォレスト・ガンプ」編 偶然を味方にする人とそうでない人の違い

これから、映画を題材に「キャリアデザイン」&「リーダーシップ」の切り口で書いてみたいと思います。どれだけ続くかわかりませんが・・・。まずは、何度も見た「フォレスト・ガンプ」から。

「フォレスト・ガンプ/一期一会」は、知能は低いがまっすぐな心を持った主人公(トム・ハンクス)の半生を描いた映画です。アカデミー賞6部門、ゴールデングローブ賞を受賞しています。映画の冒頭は、一枚の白い羽が青空にひらひろと漂うシーンから始まります。これがとても印象的です。風にただよう白い羽は何を表わしているのでしょうか?

主人公フォレストは、知能が低く背骨がゆがんでいたため脚装具をつけていて、友達からいじめられています。ある日スクールバスで女の子ジェニーの横に座らせてもらったことから、ストーリーが展開していきます。次々といろいろな出来事が波のように続きます。

足が速いことを認められアラバマ大アメフト部に入部します。卒業後は陸軍に入隊してベトナム戦争に従軍します。負傷し入院した野戦病院でピンポンにハマり卓球全米代表に。そして、除隊を機にベトナムで戦死した親友との約束を守り、エビ採り船を一艘買い船長になります。素人がやってうまくいくはずもありません。しかし、ある日ハリケーンが襲いエビ漁船が壊滅的被害を受けますが、ガンプの船だけが難を逃れます。その後大漁が続き巨額の財を成します。まだまだ続きます。その後最愛の母が亡くなり、幼馴染で初恋のジェニーも家を出ていきます。それをきっかけに、走り出します。アラバマ、ミシシッピ、そしてカリフォルニアへ。今度は折り返して東海岸へ。ただただ走る、目的もなく走る。走りたいから走る。走り続けているうちにいつの間にか、フォレスト・ガンプの後ろにはたくさんのフォロワーが続いて走っている。ここは印象に残る名シーンです。

この映画は「キャリアデザイン」的に見ると、目の前のことを一所懸命やっている、目の前のことにただただ一所懸命取り組んでいる人のエピソードを描いています。さしたる目的もなくただやり続けているうちに、ある人に出会い、ある出来事に遭遇する。そして、次の人生につながっていく。そして、また・・・。

さて、冒頭シーンの白い羽。あれは何を表しているのでしょうか?わたしは、「運(Luck)」のメタファーなのではないかと思っています。風に舞う白い羽。誰の肩にも落ちる可能性があるし、誰の足元にも落ちる可能性がある。しかし、行動している人にしか白い羽は落ちてこない。すべての人の前に偶然は通り過ぎている。しかし、それを捉える人がいる一方で、ただ偶然が目の前を通りすぎてしまう人もいる。偶然を味方にする人とそうでない人の違いを、この映画は描いているとみることができるのではないでしょうか。

キャリアデザインにおいて、キャリア(人生)をどう作っていくかに関して2つの流派があります。一つは計画(Planning)派、自分がどうなりたいのか(ビジョン)を描き、そこに行くまでの目標(道標)を置き、目標を実現するための行動計画(アクションプラン)を立て、実行することを大切にする。もう一つは工作(Crafting)派、計画したって思う通りにはならないのだから、目の前のことを一所懸命やってみる、やっているうちに何か自分のやりたいことが見えてくると考える流派です。前者のplanning派は「計画→実行」を重視する。後者のcrafting派は「試行→学習」を大切にする。

皆さんは、どちら派でしょうか?人には右利き、左利きがあるように、キャリアデザインの方法も、利きキャリアがあります。もちろん、どちらかがいいという話ではありません。どちらの要素も大切です。しかし、どちらにも共通するのは、「行動する」ことです。一方は、計画してから行動することを大切にし、一方はとりあえずやってみてから学ぶことを重視します。

2つの流派の観点から見ると、「フォレスト・ガンプ」は、工作(Crafting)派の物語です。目の前のことに自分の時間とエネルギーを注ぎ続けた人の物語です。映画では、フォレストのお母さんの教えとしてこんなセリフが二度出てきます。

「人生はチョコレートの箱、食べてみるまで分からない」

どんな味なのか不安で食べられない人がいたとしたら、
やりたいけどうまくいかないかも・・・と思っている人がいたら、
とりあえずやってみないと、どうなるかわかりませんよ、と。

【作品】
監督:ロバート・ゼメギス
主演:トム・ハンクス
日本公開:1995年

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