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里山で禅修行のススメ

坐禅マインド

 何らかの動機で坐禅を初めて、自分で坐ったり坐禅会に参加したりしていると、最初は緊張であったり、身体が慣れなかったりで、なかなかうまく坐れない.それでも相続していると徐々に一炷、二炷と坐れるようになってくる.しかし、坐禅がよく坐れるようになってくると坐禅をしてる時間とそれ以外の時間の差が大きくなってきて、坐禅をしていない時も(またはリトリートが終わった後も)坐禅マインドで日常を過ごすことはできないものか、という疑問が湧いてくる.

 リトリートや摂心に参禅すると、一回の坐禅と次の坐禅の間の時間に経行と呼ばれる歩行禅をするところもあって、これは静かに坐っている静中の坐禅マインドを歩いていても、動いていても実践できるように工夫されている.坐禅マインドを歩行禅をからさらに広げて、他の活動にも広げるにはどうしたら良いのか.

里山での生活

 里山での生活は今でも暖房や給湯のエネルギー源に薪を使っていたり、畑や田んぼで米や野菜を作っているところがまだある.その生活の中で田植えや稲刈りといったビックイベントの他に、薪を作るために木を薪割りしたり、畑や野原の草刈りをしたり、収穫した豆の鞘取り、雪が降れば雪かきなど日常的な様々な仕事がある.里山での仕事の動きは斧や鎌など刃物で何かを切断したり、スコップや鍬で何かを掘り起こしたりするなど比較的単純なものが多い.

 例えば薪割りなどは動き自体は単純なものでありながら、刃物を使っているので斧の動きや丸太の木目の方向に意識を集中していなければケガをする可能性もある.意識を集中しながら黙々と薪を割っていく作業が坐禅に通じるところがあり、坐禅マインドを禅堂から一歩出て継続していくのに最適な作業となる.

 また屋外で作務をした後に禅堂に戻り、坐禅をすると自分の身体感覚も以前とは違ったものになる.屋内での掃除なども坐禅マインドを動中で相続するのに適しているが、一歩進めて里山で薪割りをしたり草刈り作務をすることで坐禅マインドをさらに他の活動に広げることができる.

 そのような問題意識で枯木堂では薪割りなどの作務も参禅者にお願いしております.皆が里山の生活や作務が合っている/できる訳ではないけれども、里山での作業や山歩きを通じた坐禅・禅修行に興味のある方、修行を深めてみたい方、お待ちしております.ぜひ一緒に修行しましょう.



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