娘とニューヨークで遊ぶ(5/8日)
ナイアガラの滝で禊
ニューヨークに着いて、早5日目。
この日は、ナイアガラの滝日帰りバスツアーの予定を入れていた。
実は私は25年以上前、ニューヨークにある旅行会社で、ナイアガラの滝ツアーの手配をしていた。
にもかかわらず、ナイアガラの滝がどれほどマンハッタンから離れているかを、すっかり忘れてしまっていたのである。
忘れていなければ、今回の旅行のフライトは、JFKとバッファローの2つとっただろう。しかしそれに気づいたときは、時すでに遅し。
国内線の往復は高いし、レンタカーで滝へ行くのは時間がかかりすぎる(片道7時間)。でもどうしても娘をナイアガラの滝に連れていきたい。
そこで偶然発見した、アミーゴツアーの「ナイアガラの滝1日バスツアー」。往復14時間。ナイアガラの滝で観光するのは3時間。
これって、疲れるんじゃない? 耐えられるかな?
でも、出発2日前まではキャンセルしても無料だったので、ニューヨークに着いてやっぱり無理そうだったら、キャンセルすればいいやと思い、とりあえず予約を入れた。これは大正解だった。
アミーゴツアーという会社名からわかるように、運転手・ガイドはメキシコ人(メキシコ系アメリカ人)。
バスは期待したほどゴージャスではなかった。どちらかというとボロい。
でもトイレ付きで(一度も入らなかったけど)、天井にUSBケーブルをさして充電できるようになっている(ケーブルの長さが足りなかったので、持参した予備バッテリーで対応)。
朝4時に、タイムズスクエアのm&m近くから出発。
まだ眠いので、トラベルピローを用意し、車中では爆睡。
一度、Corningという町の大きなスーパーによって、トイレ休憩と食料を調達する。
結論をいうと、片道7時間はあっという間だった。
マンハッタンと、ナイアガラ・フォールズのあたりでは、英語とスペイン語の両方で、その土地の話をしてくれる。
だが、バスを降りてから、ちょっとした苦労があった。
というのは、ガイドのピートについて滝の観光をするのだが、彼がこれから先どうするか、どこで何時に待ち合わせるか、といったことを一切教えてくれないのだ。もちろん聞けば教えてくれるけど、ガイドとして、お客に伝えるべき最低限のインフォメーションの必要性をわかっていないようなのだ。
なので最初のうちは、ピートの持つオレンジ色のタオル、もとい「オレンジの旗」を求めて、うろうろした(ピートは背が低い)。
ナイアガラの滝自体は素晴らしかったけれど、それに劣らずピートのことも、強烈な記憶として残っている。
Lady of the Mistという観光船に乗る。
滝のすぐ近くまで行くので、水しぶきを浴びてもOKなように、あらかじめペラペラのビニールでできたポンチョを渡される。
下船後、ポンチョは持ち帰ってもOK。
「もったいない」世代の私はもちろんお持ち帰りしたが、「断捨離」世代の娘は、惜しげもなくゴミ箱に放り込んでいた。
「ナイアガラの滝」という名前は、実はここにあるいくつかの滝の総称だった。どこからこんなに集まったのか、不思議なくらいの水量と、滝が落ちるエネルギー。風の吹く方向によっては、まるで息もできないほどの、圧力がかかった水しぶきを全身に浴びる。それは、まさに滝行!
Lady of the Mistに乗船して禊を受けて、私たちは新しく生まれ変わったのだ。そう確信するくらい、実はこのツアーを境に、娘が素直になった(笑)
滝の下で過ごした後は、滝の上の土地を歩き、写真を撮った。
バスの出発時刻まで(これもピートに聞かないと教えてくれなかった)自由時間があったので、土産物屋を覗いたり、アイスを食べたりした。
今回、ツアーの参加者は60名くらいだったと思うが、中に晴れ男か晴れ女がいたはずだ。
というのは、滝に着く直前に雨が降り出したのだが、バスを降りる頃にはピタッとやんだ。帰り、まさにバスに乗ろうとしたときに雨が降り出した。
だから、滝の水にぬれたとはいえ、天から落ちる雨でぬれることはなかった。
滝に着いたのは11時半頃で、バスに乗ったのは2時半頃。3時間くらいの観光タイムだったが、私にはそれで充分だった。
帰りのバスでは、きっと疲れてずっと寝るんだろうな~と予想していたが、なんと禊効果なのか(?)、まったく眠くならなかった。
かといって退屈というわけでもなく、スマホでYoutubeを見たり、音楽を聴いたりしていて、時間はあっという間に過ぎ去った。
途中、行きと同じスーパーでトイレと食料の買い出しをした。
マンハッタンに戻ったのは、夜の9時半頃。
そんな時間でも、タイムズスクエアのあたりは人がいっぱいだった。
今回のツアーは、「Viator」というサイトで申し込んだ。Viatorはローカルツアーの予約・連絡・支払い等をすべてオンラインで請け負い、ツアーのレーティングもできる。
私が25年以上も前、電話やファックスでやっていた手配業務が、今はこういう形態になっているのか。感慨深いものがある。
実は行きの際、老眼鏡をどこかで落としてしまった。幸いなことに、それがバスの中で、ピートのパートナー(ピートが滝で案内している間、バスをピックアップ場所へ移動させたりする人。もしかしたら運転もしていたかもしれない)が取っておいてくれた。チップは$10を渡した。
ピートは最後にバスの中で案内ついでに、チップはツアー代金の20%が好ましいとか言っていたが、200ドルの20%だと$40。この金額のチップを出した人はいるのだろうか?