湘南の問題、パワハラかどうかは基準があるかも鍵。
降ってわいたような湘南のチョウ監督のパワハラ問題。私自身は、厳しいことも言うという指導方法を聞いていたのでいつか問題視されるかもしれないな…と思っていました。
というのも、単にこれはチョウ監督が悪いからとか単純な問題ではなく
受け手がどうとらえるか
によって、パワハラといわれてしまうからです。私自身もリーダーとして、部下の教育をしたことがありますが、今、当時のやり方をしたらおそらく
パワハラだ!
と声を挙げる人がいたでしょうね。
それは単純な理由ではなくて、冒頭で書いた通り。受け手を理解しているかどうか、が欠けているからです。私自身振り返っても、当時は一律で同じように接するのが差別しないことになるとか、おかしな考えで接してました。みんな個性があるのにね。
こうしたことからも、相手に合った指導方法というのはすごく大事な要素で、まずここから始まるとすら思っています。従って、相手を見極めた上でじゃないと厳しい表現で教育的態度をとることはかなりのリスクです。
日本のスポーツ環境のおいて、まだ感情を込めた強い口調でもって相手へ強引に伝えよう、といった方法が教育だとか勘違いしていたり、容認する要素が残っていると思う。これは私自身も実体験がありますが、性格次第で相手を挫折にも追い込みかねない劇薬です。効果が大きいがゆえに、安易に乱用する例が絶たないと思う。
だからこそ、今回のケースでも
厳しめの口調などを使った指導方法を受け手が事前に了解・許容していたか
という点がカギになるんじゃないか?と思っているのです。
ここをガイドラインとして、ライザップにしても文章化してクラブ内に周知・徹底していたならば、それ程問題視することではないと思うし、するべきじゃないだろうと思う。しかし、チョウ監督の結果を出している力量に遠慮して、当人に対してキチンと詰めてなかったとしたら、曖昧さを突かれてむしろ監督を苦境に追い込むことにつながる。
従って今後の焦点は、監督の個人的な力量に任せすぎていなかったか?クラブ全体でリスクを共有するように、意見交換の上での意思決定、というプロセスを経ていたかどうか?ではないかと。
チョウ監督の情熱や能力については疑う余地はないと思いますが、かねてから個性の強い手法についてはこういうリスクはいつか出てくるかもしれないな…と心配していたんですよね。でも数年経過していたため、実際には単に印象に過ぎないのかもね、と思ったりしていた。しかし結局、こういう事態が起こってしまったので以下の対応が必要じゃないか?と考えています。
1:チョウ監督の指導方法についての事前了解を、全選手・全スタッフ・新加入の人たちに都度取っておく。
2:クラブ内の人たちに対して匿名のアンケートを取り、監督の振る舞いについての感想・意見を吸い上げる(おそらくやっている)
3:外部からの客観的な分析を得て、今回の問題が進退にまで影響が出るかの客観的な判断を下す(これも恐らくはやっている)
特に1が重要で、チョウ監督の指導方法として、個性として認められる範囲でお互いの了解を取っておくこと。これがないとまた行き違いでパワハラといわれかねない。湘南スタイルといわれているように、チョウ監督の指導方法もいわゆる
辛口
でしょうから、その点をあらかじめ了解しておいてもらうことは言質としてとっておかないと。それもリスク管理ですから。
私個人としてはサッカーファンとして、もし単にパワハラネタのやり玉に挙げられた、という程度の低い動機であるなら怒りを感じるし残念にも思う。でも実際に事実としてあるなら、これを機にむしろ改善に向けた手を打ってほしいな、とは思う。そしてチョウ監督も、辞任することは簡単ですが
あえて変わる努力を見せ続ける
のも勇気だと思う。だから、問題なかったのなら辞めてはいけない。あったとしても重大なレベルでなければ、セカンドチャンスとして自分が先例になるくらいの勇気を持ってほしい。それがいちサッカーファンとしての願いですね。