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ファッション小売業、時代の節目を迎えて

もし占星術好きな方なら耳タコくらい言われている土の時代から風の時代へと既に変遷したこの年末。

(なんのこっちゃでしたらすみません💦)

モノを所有したり、型にはまった生き方、右肩上がりが良しとされた時代の価値観から、より精神的なもの、情報、コミュニケーションといったものに価値が置かれるという時代の節目が来ているそうです。

2020年は世界全体の機能が一時止まったことで、みんなが一旦立ち止まって自分の足元を見直した年。

働き方や生き方、自分にとって真に大切にするべきものは何かを考えさせられた年でした。

ファッション小売りの仕事が長い自分ですが、ここもかなり大打撃を受けた業界の一つ。

丁度、ユナイテッドアローズの栗野宏文さんの書籍「モード後の世界」を読んで、新しい時代を生きる上のヒントを頂いたので、考えたことを記しておきたいと思います。

ユナイテッドアローズといえば、セレクトショップに育てられた自分にとっては常に傍らにいたような身近な存在です。

改めて栗野さんのファッションに対する造詣の深さや首尾一貫とした真摯な姿勢、音楽やファッションへの愛に感銘を受けると同時に、タイトル「モード後の世界」とあるように、ここにも時代の節目感を感じぜざるを得ません。

「ファッションの方向性を決定するのは社会潮流である。」と仰るように、ファッションは時代感が諸に表面化します。

みんなが、そんなに頑張ってモノを買わなくてもいいんじゃない?という風に思うようになってきて、レンタルやシェア、不要なものはメルカリ等で売るといった考え方ももはや定着、大企業の宣伝よりも個人のインフルエンサーなどの力が席巻しているし、流行、トレンドといった一定の強いファッションスタイルがあるというわけでもなく、なんとなく時代感みたいなものはあるけど、それぞれがそれぞれのフィールドの中で好きなものを追求していく、無限に分散化しているような気がします。

栗野さんは書籍の中で、社会潮流を読む上でのキーワードは、「サスティナビリティ、個の時代、西洋的価値観の行き詰まり」だと書かれています。

アパレル業界大不振と言われていますが、これはコロナだから、というだけに止まらずこれまでの旧態としたアパレルの仕組みが最早通用しない時代になってきたのだということなのだと思います。

トレンドを探し、売れ線を追求するモノづくり(もう何十年も前から言われていますが)

作り過ぎることでの環境負荷、在庫処分問題(私は在庫で目いっぱいの店舗が苦手。。。)

結局、モノが売れないのはそれだけ魅力的なものを提案出来ていないからなのです。

確かに、実感としてお客様は本当に心奪われる商品を欲しているのだなという気がします。

なんとなくいいかな、くらいのものはもう買わないんです。(自戒を込めて)

「これでいい」、ではなくて「これがいい」。

今厳しいと言われる業界は、旧態依然とした考えかたや仕組みを根本から見直すべき節目に来ていてるのだと思います。

長く染み付いている常識や慣習を変えていくことはとても難しく、そのためにはまず自分たちは何者なのか、何をして行きたいのかということを深掘りし、何を発信していくのか、という根っこをもっともっと明確にしていく必要があるのだと思います。

モノを作ったり売ったりするならばその必然性や価値、背景やストーリー、売る人の想いに共感がなければ人の心を打たないし、そのストーリーに共感した人たちだけが寄ってくる、小規模なワールドが無数に出来てくるのだろうと思います。

モノを作る視点では小規模小ロットが好まれる傾向は以前からありましたが、素人がモノを作れるサービスやアプリなんかもたくさん生まれているし、多くの分野でそういった細かくて小さな規模のニーズに対応出来ることが求められてきています。

素人でもその人らしい表現や強みが浮き彫りになることで、これまでなら難しかったことも実現可能な時代になってきたなと思います。

又その流れは、カラーがはっきりしておらず主張が感じられず、お客様の記憶に残らないものは自然に淘汰されていくことにもつながるのでしょう。

2021年からの自分自信としては、

•オリジナリティの追求
•半年前予測の仕入れて売るという基本の仕組みの見直し

この2点の課題に取り組んでいくつもりです。
お客様に支持して頂くためには、まず自分を徹底的に知ること、自分が心の底からワクワク楽しめるものを追求すること、これが最重要だと思っています。

そして出来るだけお客様が欲しい時期に欲しいものだけを出来るだけ無駄なく提供出来るような仕組みを考えて行きたいと思っています。


お洒落をすることは自分の価値を発見し、認めること。

毎日服は着るし、毎日が選択で毎日が発見。
子どもにも、毎日の選択で自分に合うもの、好きなものを発見していくプロセスを経験していって欲しいと思っています。

常に試行錯誤。トライアンドエラー。

失敗を繰り返しながら学んで行くしかない。

その時失敗だと思っていたことも、後から考えたら決して失敗ではなく、成功のスタートだったなんてことはざらにあるのだと思っています。

長くなりましたが、新年への抱負みたいな記事になりました(笑)

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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