もう一度夢を見せておくれよ
『ドリームキャスト』がHDMI出力で接続できるようになるコンバーターが発売されるそうです。な、なんだってー!?
ドリームキャスト(以下DC)は1998年にセガから発売された家庭用ゲーム機です。スペックについてはセガさんのホームページをご覧ください。
圧倒的シェアを獲得していたプレイステーション(以下PS)に対抗すべく開発されたDCは、非常に高性能なマシンでした。
何といってもインターネットに接続してオンラインで遊べちゃう。いまでこそ当たり前の要素ですが、当時は最先端だったんです。
データを記録する端末をコントローラーに直接装着するのも斬新でした。ビジュアルメモリと呼ばれる端末は、取り外せばそれ自体も携帯ゲーム機として遊べる優れモノ。今までこんなアイテムはありませんでした。
一時期流行したミニテトリスと同じくらいの大きさで、いろんなゲームが遊べるものと思ってください。
PSで携帯ゲーム機兼メモリーカード「ポケットステーション」が発売されたのは約2か月後の1999年1月。ゲーム業界の熱いせめぎ合いがうかがえます。
家庭用ゲーム機の新時代を切り開いたDC。このままトップを走り抜けるかと思ったのですが……2000年にはPS2、さらに翌年にはニンテンドー64やXboxが発売され、道を譲ってしまいました。
第六世代と呼ばれた家庭用ゲーム機が出揃った2001年。セガはDCの製造中止と家庭用ハード事業撤退を決定し、たった2年で市場を去ることに。
DCは競争に負けたんじゃありません。あまりにも画期的すぎて時代が――僕たちが追い付けなかったんです。故に浸透しなかった……。
セガのゲームは世界一と思っている方々はみな、そう信じています。そして自分もその一人。
熱いんだかなんだか分からない歴史語りはここまでにして。
要は昔のゲーム機が、きれいな画質で遊べるようになるってことです。DCはたくさん遊ばせてもらったゲーム。思い出もたくさんあります。
自分がDCを手に入れたのは10年以上前――大学生の頃。当時の北海道は春を目の前にして、まだ雪が残っていたと記憶しています。
生産終了にともない、本体価格が9900円に改定。今では考えられない変更も、セガらしい英断でした。
友達の家で遊んですっごく面白かったゲーム機。これを逃したらもう手に入らない、今が買い時だ! 決断に迷いはありません。
バイトが終わった足で札幌駅のヨドバシカメラへおもむき入手。同時に買ったソフトはたしか『マブカプ2』と『セガガガ』。ああ懐かしい。
それからちょこちょこソフトを買ったりして、しばらく遊んでいました。今でも中古ショップに行くと、DCソフトの棚を眺めてしまいます。
……おっと、また昔話をしてしまいましたね。それくらい思い出の深いゲーム機なんです。
書いていたら遊びたくなってきた。今度の休みに引っ張り出して動かしてみようかな。
水面に水を打つような起動音(きれい)
ブォンブォンと髪を乾かせそうな勢いで回る冷却ファンの音(うるさい)
ガリガリとディスクを傷つけてそうな読み込み音(不安)
それらに懐かしさを感じながら遊ぶ時間は、一瞬であの頃まで時間を戻してくれるに違いない。
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