裁縫に想う
仕事の夜休憩中に起こった悲劇です。音楽を聴いていたせいか、寒さで歩き急いでいたせいか、ともかく縁石に足を引っかけてばたーん。
驚きましたね。つまづいて転ぶことは自分にとって激レアイベント、非日常的な出来事だったので。最後に転んだのっていつだったっけ……。
「痛いけど我慢できるし家に帰るまで放置でいっか」と思ったのですが、自分の自然治癒力に対する不信感も生じ、ドラッグストアで働いてる資格者のくせに怪我に無関心なのは文章の説得力に欠けるかもしれない。
いろいろ考えた結果、消毒して傷口にパッドを貼りました。これでよし。
ですがもう一つ困ったことが。
仕事着のスラックスに大きな穴が……買い替えてまだ半年も経っていないのに。なんで転んじゃったんだろう……。
面倒ですが補修です。最近ではアイロンでくっつけられるお手軽生地もありますが、近場の小型100円ショップには売っていませんでした。
しょうがない、たしか家に似たような生地があったはずだから、それを縫いつけて応急処置しよう。
そう決めて翌日、引き出しから裁縫道具を取り出しました。
これは母親が独り暮らしで上京するときに持たせてくれた裁縫セット。「ボタンの一つも縫い付けられない男には育てていないから、洋服がほつれたらこれで直しなさい」みたいなことを言われた記憶があります。ちなみに母は洋服を自作できるマイスタークラス。
裁縫に限らず、自分のことは自分でやるように育てられた幼少期。当たり前のことだけど、大事なことをちゃんと教えてくれたなと大人になって感じることがしばしばあります。ありがとう。
ただ自分はボタンが縫い付けられる程度のスキルレベルしかないので、綺麗に穴をふさぐことはできません。後日当て布を来ようと決めて、簡単に縫い付けました。ま、こんなもんかな。
ひさびさに開けた裁縫セットの中を見て、懐かしいものを発見。
フィルムケース……マチバリ入れに使っていますが、いまの子は外観だけで何に使うものか分かるのでしょうか。思わず時代を感じてしまいました。
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