【EC担当者】P/L管理の重要性

  EC担当者の共通の問題として、見ていくべき数値が卸売部門と大きく異なるにも関わらずポジションによっては経費の詳細が開示されず、事業の実態を正確に把握できないということがあります。私自身2社に渡って、EC担当をしてきましたが、どのように実態を把握して事業を改善してきたかを書きたいと思います。今回はP/L管理の重要性となります。

 まず、正確な数値を基にした実態把握は、EC運営では必須です!ECで売上を上げることはそこまで難しくはありません(語弊あり)。しかし、ECで利益を上げることは容易ではないからです。その理由は後程触れますが、いくらサイト改善や施策でセッションやCVRを上げてもそもそも利益化できる運営体制になっていなければ最悪赤字を増やし続けている場合もあるからです(恐ろしいですが意外とよくある話です)。そのため、事業部立ち上げから1年以上経過している場合は、しっかりと現状把握をおすすめします。

 本題に戻りまして、解決方法はシンプルで、①公開を求める or ②自身で作る です。私の場合は①が叶わなかったので、②で管理しております。最初は苦労しますが、事業の実態把握なしで運営はできませんので当然のようにできるようになります。

 BtoBビジネスの場合、掛率(卸値)が決まっており、粗利率が一定で販管費もおおよそ一定となるため、基本的に売れば売るほど利益が上がります。一方、BtoC(特にEC)については、販管費や広告費といった経費のコントロールや商品以外(送料、決済手数料、ギフト梱包等)の料金設定および回収率をコントロールして期待する利益が残る運営体制を作る必要があります。

 しかし、恐ろしいことに卸売をメインとする会社の場合、一般社員に対して売上と粗利のみしか開示をしていないことがあります。ECは粗利は出るけど、それ以上に経費使ってるし...ということはなんとなく担当者はわかりますが、担当以外から見れば、EC=高粗利で儲かる!という誤解も生まれます(本当に儲かっていれば問題ないです)。

 なぜ、P/L管理が必要かというと、99%の企業は利益を出すことが目的のはずです。にも関わらずEC事業は粗利が高くても、限界利益が低いかマイナスということが良くあります(固定費まで入れるとさらに)。担当者は粗利が出ていて評価されると思っているかもしれませんが、実態はそうでもない場合もあります。EC事業部での施策でよく上がるのは集客やCVR・顧客単価の改善という売上面から入る方が多いですが、そうではなくまずは費用面も含めての現状分析に時間を費やすことが本当の意味での改善の一歩です。

 今後は具体的にどのように管理しているのか、数値目標の設定等記載できればと思います。

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