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映画「英国王のスピーチ」感想

「英国王のスピーチ」2010年。

吃音症に悩む現エリザベス女王の父、前国王ジョージ6世(ヨーク公)が言語聴覚士と友情を育みながら吃音症を克服し第二次世界大戦を目前に全国民にスピーチをする…

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何度も観てしまう。

英国の格調高い美しさを保ちつつ「友情・努力・勝利」を体現する最高に少年ジャンプな映画。

そして歴史を身近に感じられる点でもこの映画は優れている。今を生きているエリザベス女王の少女時代。伯父のエドワード(ウインザー公)が離婚歴のある女性と結婚するために王位を捨てなければエリザベス女王は誕生していないと思うと歴史の数奇さを感じてしまう。ウインザー公が英国に戻れるよう取り計らったのはエリザベス女王とのこと。孫のヘンリー王子もパートナーの影響で王室と距離をおき、当事者としては状況が全く異なるのかもしれないが伯父と同じ道をたどっているような孫への胸中はいかばかりなのだろうか。さらには離婚歴のある女性を王室に迎え入れたという点でもウインザー公のことを考えれば大きな変化だったことが分かる。

そして映像メディアが象徴として生きる人々の在り方を大きく変えたのだと実感。全国民がラジオで国王の声を傾聴する。ヒトラーの演説の映像を見て彼は演説が上手いと英国王が焦燥を覚える。映像がなければ、存在を認識するのみで姿形を敵の大将が知ることはなかっただろう。

顔の見える象徴。会いに行けるアイドル級に価値観が転換したのだろう。

時代の価値観の変化、幼少時の仕打ちによる自己肯定感の低さ、愛に生きる兄に振り回される、さまざまな困難を持ち前の忍耐強さと努力で乗り越えながら、国民を鼓舞するためのスピーチに臨むヨーク公。そして友として側で見守る言語聴覚士のライオネル。

まさに「友情・努力・勝利」。

映画としてもテンポよく飽きのこないつくりでTHEアカデミー賞映画です。オススメです!




つけヒゲに憧れているのでつけヒゲ資金に充てたいです。購入の暁には最高のつけヒゲ写真を撮る所存です。