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「メールが3件きたから3校で指導していた?」さいたま市、肌着着用禁止の指導の実態は

 昨年の3月、川崎市の一部の小学校で「体育の授業をおこなう際に肌着の着用を禁止する指導」をしていたことが明らかになり、多くの保護者や子どもたちから批判の声があがりました。
 「さいたま市も同様の指導をおこなっている」との情報提供を受け、文教委員会の議案外質問で質疑をおこないました。

○たけこし連
さいたま市で体育の授業の際に肌着着用を禁止する指導をしていたことは認識しているのか。
○学校教育部長
 昨年度、市民から「肌着を脱いで直接体操着を着るような指導がある」という匿名のメールが3件きたことで、こうした指導が、おこなわれていることをつかんだ。また、このメールを受け、校長会に、直ちにやめるよう徹底する指導をした。
○たけこし連
 そうした指導をおこなっていた小学校名、あるいは行政区ごとに何校あったか、もっと言えば、104校(市内の小学校数)のうちに何校あったのか、伺う。
○学校教育部長
 市教委に問合せがきたメールは3件。このメールは匿名だったので、学校名などは特定できない。ただ、104校中、(メールが来た)3件が同一校でないとすれば3校あったという認識
○たけこし連
 調査が甘いのではないか、メールが3件来たから3校だろうという答弁だが、そういう指導を行っているかどうかの具体的な点検や確認はしたのか。
○学校教育部長 
 昨年度来、そうした指導は行わないよう指示を重ねてきた。点検というよりは、この指導を徹底するようにこちらの方から発信したところ。
○たけこし連
 それでは不十分ではないか。今の答弁では市教委が、実態を全く把握していないことになる。なぜ、そういう指導をおこなっていたか、(理由等は)把握しているのか。
○学校教育部長
 調査という形では、現在、校則を見直しプロジェクトが動いているので、その中で調査をおこない「学校の中で体育着は素肌に着ましょうという規則を設けている学校はなかった」というのが調査内容。
 メールで来たものについては、学校としてというよりは、(教師の)単独の行為だったのではないかという認識で、これについては指導をおこなった。
○たけこし連
 誰がやっているのか、そこまでは追及しないが、せめて、どこでやっていたか、なぜおこなわれていたのかなどを、今後、調査する予定はあるのか。
○学校教育部長
 肌着着用禁止の指導がおこなわれていた理由については、メールから引用すると「運動後に、汗が冷えるのでという説明が(教員から)あり、いかがなものか」といったメールをいただいたので、そうした理由で指導したケースがあったという認識。
○たけこし連
 せめて教育委員会として、こういう質問をされたのだから実態を把握する必要があるのではないか。実態調査をおこなうことを強く求める。また、今後、保護者に、そういう指導を行わない等の通知をする予定はあるか。
○学校教育部長
 今後、(実態調査や保護者への通知などの)対応について検討する。
○たけこし連
 実態調査をおこなった上で、その内容を保護者に通知することを強く求める。

 質疑を通して、驚いたのは市教委が肌着着用の禁止指導をおこなっていた学校数を、メールが3件きたから3校だろうと答弁をしたことです。議会では肌着着用禁止をおこなわないよう指導していると答弁したものの、その実態を全く把握していなければ、原因究明や今後の対応なども検討できません。
 小学校では児童から不合理な決まりや慣例を見直すよう要望することは難しく、保護者頼りになっている現状が浮き彫りになりました。
 同様の指導をおこなっていた名古屋市では、保護者に向けて「肌着着用を禁止する指導はしない」旨の通知を出し、着替え等の準備をお願いするなどして、保護者・児童・学校がこの問題について互いに考えるきっかけをつくりました。  
 本市でも、この問題をきっかけに保護者・児童・学校が互いに学校の不合理な決まりや慣例を見直す仕組みを考えていく必要性を強く感じる質問になりました。

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