仕事と自己実現の狭間で
私たちは日々、自分の思いと現実の狭間にいる。特に仕事の世界では、個人の価値観と会社の理念の間に大きな溝があるように感じることが多い。しかし、その溝は本当に埋められないものなのだろうか。
やりたいことが多すぎて困る人もいれば、逆に何をしたいのかわからない人もいる。この両極端な状況は、実は同じ根を持っていると思ってる。それは、自己理解の深さ。
会社の存在意義と自分の価値観。一見すると相容れないように思えるこの二つの要素。でも、よくよく考えてみると、意外な共通点が見えてくる。それは、表面的な違いを超えた、より本質的な部分での一致である。
例えば、ある人は「革新的な製品を作りたい」と思い、会社は「顧客満足度を上げたい」と考えているとする。一見すると異なる目標に見えるが、両者とも「人々の生活をより良くしたい」という根本的な思いを共有しているのではないだろうか。
この共通点を見出すためには、深い内省が必要。自分の欲求や価値観を、表層的なレベルではなく、より抽象的な次元で捉え直してみる。そうすると、自分と会社の目指すものの本質的な部分が重なり合う部分が見えてくる。
もちろん、この作業は簡単ではない。自己と向き合い、本当の自分の姿を見つめることは、時に痛みを伴う。しかし、この過程を経ることで、仕事に対する新たな意味づけが生まれる。
内発的動機づけ。これこそが、長期的な仕事のやりがいを生み出す。自分の価値観と会社の理念の接点を見出すことで、単なる義務や責任以上の、内側からモチベーションを湧き上がらせることができる。
注意しなければならないのは、この「一致」を無理に見出そうとしないこと。時には、本当に相容れない場合もある。そんな時は、別の道を模索する勇気も必要。
日々の忙しさに紛れて見失いがちな自分の本質的な欲求や価値観。それらと向き合い、理解を深めていく過程はやはり大事なんだと思う。