努力と休養の用法用量
最近Netflixで韓国ドラマを一気見することが出来るようになった。
これは私にとって回復の傾向と言って差し支えない。
以前はハマったドラマを睡眠返上で見るほどちゃんと韓国ドラマが大好きだった。好きだった事ができるようになっていることが素直に嬉しい。
Netflixで配信されている「ドクタースランプ」を見始めたら、主人公が仕事をきっかけにうつ病を患うという展開に思わず一時停止を押してしまった。
学生時代から常に全力疾走を続けてきていた医師の女性が、職場の環境に疲弊し体を壊してしまうのだけど、うつ病の診断を受けて仕事を辞めた彼女がその日に言ったセリフがあまりにも腑に落ちてしまった。
学生時代から勉強も仕事もいっさい手を抜かず、休まず(休めず)、頑張り続けた先に待っているであろう幸せのために耐え忍ぶことで自分の自尊心を保ってきた彼女が、自身がうつ病であることにプライドを傷つけられ、受け入れられない。
作中の彼女のストイックさには負けるにしても、私も「我慢した先に必ず幸せが待っている」と思いながら努力することが自分を安心させていた。
つい先日、働いている時も相談に乗ってくれていた友人に
「ずっと、“あともう少し我慢すれば楽になると思う”って言ってて心配してたよ」
と言われた。
その時の自分は大真面目に、本心でそう思っていた。
少し我慢すれば楽になる。辛いのは今だけだからあと少し踏ん張ろう。
今までだってそれでなんとかなってきたんだから、いつもの通り少しだけ耐えれば大丈夫と。
友人に言わせれば「楽になるための我慢」がそもそも自分を痛めつけているのだそうだ。
今なら分かる。
でも、当時の自分は頑張っているという事実でしか、上手くいかない日々を肯定してあげられなかった。
「好物は最後までとっておく」
いつ訪れるかも分からない、訪れないかもしれない未来のために嫌いなものを食べ続ける生き方はほどほどにしようと思った。
勉強やスポーツのように自分の努力で成果がある程度コントロール出来るものと、仕事や人間関係など自分の頑張りだけではコントロール出来ないものを、同じフライパンで調理していてはダメだということを、今、病気になったことで学ぶことができてよかったと思う。
頑張ることも、休むことも、用法用量がある。
どちらも自分に合うものを見つけられたらいいなと思う。
幸せも休憩も後回しにせず、美味しく頂けるうちに頬張ろう。