【小説】昭和、渋谷で、恋をしたり 1-16
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海に関する2つの設問
売店で飲みものを買って、しばらくベンチに腰を下ろしていた。
「海っていいよね。なんで飽きないんだろう……」
「なんでだろうね」
「なんでだろうじゃなくて、聞いてるの。答えてよ」
私が答えに窮している間に、ジュースを飲み終えた夏奈恵は、空き缶を捨てに立ち上がった。ゴミ箱に寄ったついでに再び柵に両手をかけ、優雅に空を舞う鳥の姿を追いだした。
「ねえ、せっかくあんなにすごいカメラあるんだから、