GitLab社のスライドをきっかけにフルリモートワークについて考えてみた
ふと思うところがあり、フルリモートワークについて調べていたところ、GitLab社の方のこちらのスライドを見つけた。公開していただけていることに感謝し、考察してみる。
弊社Acompanyは、北海道から沖縄までリモートで勤務しつつ、名古屋本社のオフィスも構えるハイブリッドワークである。
現状はうまく機能しているように感じているが、今後の組織のスケールアップを考えると、果たしてこのまま呑気にしてていいのかちょっと気になった。
フルリモート特化の先人の知恵を噛み砕きつつ、弊社の状況を鑑みてみようと思う。
スライドの要約
おおよその内容を以下にまとめてみる。
GitLab社では非同期コミュニケーションを基本とし、質の高い同期コミュニケーションでチームの方向性・認識を揃える
コミュニケーション手段
同期
Zoom、電話、Google Docs
非同期
メール、Slack、GitLab Issues、Handbook、Google Docs
使い分け例
同期
緊急時
ブレスト
信頼関係構築
非同期で成果が出ない時
非同期
上記以外
ミーティングのお作法
事前にアジェンダを用意し、参加者がレビュー&事前記入できる状態まで準備しておく
Google Docsで議事録を共同編集しながらミーティング進行する
その他
Coffee Chatという雑談のミーティングを自由にセットしていい
カメラはオン
何か成果があればSlackで共有して褒める
自分の役割以上の範囲をカバーし、高い成果を出したことを他者から推薦されると1,000USDもらえる制度
感謝を伝えるため専用のSlackチャンネル
考察
非同期で得られる重要な情報を高い基準で整理しておくことと、同期コミュニケーションの質をあげるために高い基準で準備を要求する点が特徴に思った。
GitLab IssuesやHandbook、Google Docsには、いつでも誰でも理解できるような文書が保管されているので、誰かに確認することなく仕事がスムーズに進む。
特に、Handbookは会社の唯一の情報源としての役割があるので、「Markdown+マージリクエスト」による方法でメンテナンスをしている点がユニーク。
また、ミーティングの議事録をGoogle Docsで共同編集しながら議論することで、誰かの発言中に思いついたことを記載できるので、時間効率も良い。
弊社の状況について鑑みると、上記の唯一の情報源と議事録の役割をNontionでカバーしており、リモートでも働きやすくなる効果が得られていると感じる。
社内ミーティングでも社外ミーティングでも全ての議事録がNotionに残っているので、後からキャッチアップすることができるようになっている。
しかし、ドキュメントのクオリティについては一考の余地がある。
メモ書き程度の議事録もたくさんあるので、キャッチアップには利用が難しい。
また、Wiki形式で会社の情報を管理しているので、誤って編集してしまったり、更新履歴が追いにくいという問題がある。
今後、組織がスケールするタイミングでは、フルリモートでのキャッチアップが容易になるようにドキュメント作成の基準を整備する必要があると思われる。
信頼関係の構築については、Coffee Chatという雑談だけをするミーティングを自由に入れていい仕組みや、他者を褒める・感謝する仕組み作りがなされており、同期コミュニケーションと非同期コミュニケーションの両方からのアプローチでケアをしていることが分かる。
弊社の場合だと、ミーティング冒頭10分程度でチェックインという時間を設けて一人一人が今のお気持ちや近況を話す時間を設けている。
また、個人が自由に使っていいtimesチャンネルをSlackに設けて、オンライン上の雑談を促している。
Slackの場合はスタンプだけでも交流ができるので、いい交流の場になっていると感じる。
一方で、自チーム以外のメンバーと同期的に会話する機会はほとんどないので、Coffee Chatのような誰とでも会話できるような仕組み作りの必要性はありそうに思う。
まとめ
フルリモートワークのままスケールする場合、以下の2点が重要と思われる。
非同期的にキャッチアップできる十分な質のドキュメント
文書によって、メモ書きで許される文書なのか正式な文書が求められるのかを明文化し、基準を作る
信頼関係構築のための仕掛け作り
同期・非同期両方のチャネルで人間的な繋がりを強化する仕組みを作る
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