見出し画像

【探究の時間】地元高校生と観光まちづくりについて考える(中編)

前編から続きまして、後編では、竹原高校の生徒たちと考えたSWOTとクロスSWOT分析について気づきや学んだことをお伝えします。開始前に、SWOT分析の認知度を確認したところ、知っている生徒さんはいなかったため、まずは5分間でSWOTについて簡単に説明しました。

SWOT分析参考例

キャッチコピーとブランドロゴの説明

140人27チームの高校生がSWOT分析にトライ

-ブレインストーミングでアイデア出し

140名を27チーム(1チーム5,6名)に分かれ、高校生には見慣れない4つ(強み・弱み・機会・恐れ)の項目ですが、とにかく、たくさんのアイデアを出し、付箋(ポストイット)に書き込み、各項目に貼ってもらいました。ちょっとした工夫として、一番アイデアを出してくれたチームには、竹原グッツの景品プレゼントを伝え、景品欲しさではないとは思いますが、各チーム内でかなり盛り上がってアイデア出しに頑張ってもらえたと思います。尚、参考資料として、竹原市のガイドブックを一人一冊事前に渡しました。

-最も数が多かったのは50個以上!

特に新一年生や竹原市外から通う生徒さん達には、竹原市のことについてなじみのないことが多く苦戦した様子も見受けられましたが、想定していたのが最大30個くらいで、1項目3,4つ出てくればよいかなと思っていたところ、チームによっては、アイデアの湧き出しの蛇口が止まらないほどでていました。内部要因と外部要因の違い、正直、弱み、機会、恐れの3つの区別があいまいなところもありましたが、まずは、地域のことについてどれだけ言葉がでてくるのかでしたので、ファシリテーターとしては予想以上の喜びでした。

SWOTマトリクス表に付箋をつける生徒たち

-アイデアの一例

ここで、生徒さんたちが付箋に書いてくれたアイデアの一部を列挙します。
強み
食に関すること(塩、酒、水、牡蠣、たけのこ、じゃがいも、ぶどう、アオハタジャム、垰下牛、魚飯、竹原焼き)
自然に関すること(海・空気・うさぎ・土地の広さ・星空)
文化・生活について(かぐや姫・マンホール・たまゆら・お祭り)
施設・お店・企業について(コインランドリー・アヲハタ・村上ベーカリー・藤三・マック・ガスト・太華園・ピザ屋・お好み焼き屋・カラオケ・バスケコート・本屋・ホテル・高校・港・中学校・塾・公園・ゴルフ場・駄菓子屋・空港・温泉・町並み保存地区・大久野島)
人との交流・安全(人が優しい・平和・駅員さんがいる・外国人がいる・治安が良い)
弱み
施設、お店、イベント(デパートがない、公園のトイレが少ない、テーマパークが少ない、商店街の店が少ない、遊び場が少ない、有名店がない、新しいお店が少ない、祭りが少ない、空き家が多い)
自然、環境について(夜くらい、海が汚い、川が汚い)
機会
円安、G7、大阪万博、オリンピック、コロナが落ち着いた、映画のロケ地、CMのロケ地、マッサンの舞台、外国人観光客の増加、隣町に有名店がある
恐れ
周辺地域のほうが有名、電車の本数が少ない、竹原単体としての認知度が少ない、交通アクセスがあまりよくない、隣町の人口は増えている、人口減少、少子高齢化

アイデアがたくさんでています

クロスSWOTに挑戦!

-クロスSWOT分析について5分で説明

SWOTでのアイデア出しが多ければ多いほど、クロスの組み合わせの機会が増えていきますので、アイデア出しがたくさん出たチームが自然と次のステップで有利に働きます。SWOT分析の様子を見ると、内的要因の強みと弱みに関しては数多くでましたが、外的要因は苦戦していて、クロスするには素材数がアンバランスな様相となりました。とにかく、出したアイデアについて楽しく表現してもらい批判しないことが鉄則。そして、内的要因の弱みと外的要因の機会および恐れとのクロスで化学反応を起こしどのくらいのコンテンツができあがるかが楽しみですが、各項目最低でも1つ考えてほしいという注文を与え、時間に限りがある中、たった7分間で生徒さんたちに挑戦してもらう厳しいミッションとなりました。

クロスSWOTの参考例

-戸惑いながらもクロスSWOTに挑戦

自分なりの反省点としては、短い説明で生徒さんたちに理解いただけたか不安なところ、十分寄り添う時間もなく、ワークを開始してもらったことです。ただ、SWOTとクロスSWOTマトリクス表とにらめっこしながら、少しづつチーム内で意見交換が始まったのが見受けられました。
手が止まっているチームに話かけたところ、やはり、SWOT分析でのアイデア数が不足していて、クロスしてもなかなかアイデアが浮かんでこないとのことで難しい様子でした。しかし、当初の予想では、5チームがクロスSWOTに1つ以上書き込み出来ればよいかなと思ったところ、10チーム近くが4コマのうち1つ以上に記入できたのがうれしい誤算でありました。

クロスSWOTにコンテンツを書き込む

-クロスSWOT振り返り

各自ワークが終了した後、振り返りの時間となりまして、主体的にできたコンテンツのアイデアを発表したいチームがいないか投げかけたところ、4チームが手を挙げました。時間がないので代表で1チームに発表してもらったのが、下記の観光コンテンツアイデアになります。

(強み)学生が元気 x(機会)観光客が来る
 → 学生主催の観光案内を行う・・・・・【観光コンテンツ】

2024.5.29 竹原高校・探究の時間

竹原高校の生徒たちが、自らすごく元気なことを最大の強みとして、小さな自治体ですがたくさんの観光客が訪れることを目にしているのを機会とし、自分たちで何かできないかというアイデアがから出てきたものです。このアイデアを発表したところ他の生徒たちから、オーッと声が上がり、シートには書くことができませんでしたが、別のチームで同じ思いの生徒がたくさんいることに気づきました。この時、主体的に何か行動したいという思いは大切に受け止めてあげる必要があるなと感じた次第です。

-後編に続くまとめ

SWOTとクロスSWOTののワークを行い、体育館でほんの少しの熱狂と熱気を感じることができた25分間でしたが、5分間の質疑応答で最後を締めくくりました。質問については、情報発信の方法についてと弱みを強みに変える方法があり、弱みを強みに変える方法について、もっとわかりやすく説明できればという反省点があり、弱みx機会・弱みx恐れの中でどう対処するのかについて工夫してもらえればと思います。後編では、後日生徒さんたちに記入いただいたアンケートとクロスSWOTに記入いただいた観光コンテンツについて考えたいと思います。

後編にづつく