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花嫁スピーチ 全文

本日ご参加いただいている大切なゲストの皆様へ、ここからは皆様に向けてお礼の気持ちを述べさせていただきます。

まずは家族へ。たくさんの自然と触れ合いながらのびのびと遊んで育ち、日本海に沈む夕日を眺めて毎日を締めくくることができたのは、今思えばすごく贅沢なことだったんだなぁと思います。

私の幼少期は、幼稚園に一人も友達がいなかったにも関わらず、家の中ではわがまま放題というかなりの内弁慶でした。あまりにわがままが過ぎると、両親から「なまはげに連れて行かれるよ!」と脅かされては怖がっていました。

幼稚園には行きたくなかったので、お迎えのバスが来る時間になると毎日お母さんに駄々をこねては困らせていましたね。

ちょうどバスが来るくらいの時間にNHKの連続テレビドラマ小説「ちゅらさん」が放送されていたので、私は当時のことを「サザエさん症候群」ならぬ「ちゅらさん症候群」と呼んでいます。

家族の暖かい愛情の中でなんとか成長したものの、高校受験を控えた中学校3年生の夏、突然「秋田市内の高校に行きたい」と言い出しては竹花家を震撼させましたね。

結局地元の高校に進学しましたが、大学受験を控えた高校3年生の秋には、一度も足を踏み入れたことがなかった「北海道にある大学を受験する」と言い出します。

両親としては、さぞ心配だったことでしょう。それでも私の意見を尊重してくれて、受験をさせてくれた家族には本当に感謝です。

こういった世の中の状況ですので、今日もきっとこの結婚式に参加すること自体、すごく不安だったのではないでしょうか。それなのに私には不安な様子も見せずに、この場でお祝いしてくれてありがとう。

幼い頃からそんな調子だったので、一つ年上の姉にはたくさん迷惑をかけました。幼稚園のときにはよく姉のクラスに行き、一緒に遊んでもらっていましたね。

家でも幼稚園でも、姉にべったりの妹でした。それでも快く遊びに参加させてくれたり、私が熱を出すと看病してくれたりするような、今も昔も変わらず本当に優しい姉です。

一言でいえば、姉は私の中で宝物のような存在です。誰にも傷つけられたくないし、ずっと幸せでいてほしいと心から願っています。

(姉の夫)さんという素敵な旦那さんとともに、これからも楽しく幸せで、自分の気持ちを尊重しながら過ごしてね。

幼稚園も年長さんになると、ようやく私にも初めての友達ができました。彼女がいなければこんなに多くの友人ができることはなかったでしょう。のんちゃんは、私の人生の恩人です。

私の生まれ育った地域では、幼稚園が同じだった子たちは必然的に中学校卒業まで同級生となり、小学校、中学校と進学するにつれて徐々に人数が増えていきます。同じ環境で生まれ育った地元の友達は、私の人生の中でかなり大きな出会いだったなぁと思います。

成長するにつれて友人もできるようになったと同時に、私は内弁慶から悪ガキへと変貌を遂げます。どんな私になっても、私のことを大事に思って直接思いを伝えてくれる友人、いつも優しく見守りながら、本当に困ったときは絶対に手を差し伸べてくれる友人。

私の周りには、保護者のように大切に育ててくれる友人がたくさんいました。そんな暖かい友人たちに支えられ、ときにはぶつかり合いながら大きく成長できた時間でした。

高校時代の3年間は、ほぼ吹奏楽部の記憶で埋め尽くされています。私は電車通学だったのですが、本数が少なすぎるために朝は6時過ぎの始発に乗り、夜は9時過ぎの終電に乗り、家には寝に帰るような毎日でした。

大変でしたが、その気持ちを共有できる友人がたくさんいたからこそ頑張れたんだと思います。大好きな友達と毎日一緒にいながら音楽をすることができた記憶は、今でも時折夢に出てくるくらい印象的な思い出です。

大学に入学した頃は全く知らない土地で初めての一人暮らしということもあり、最初はものすごく不安でした。

入学後すぐに不安とストレスで食事ができなくなった私でしたが、出会って間もない私を心から心配してくれる友人が周囲にいて、「初対面の私にこんなに優しくしてくれる人がいるんだから、きっとここでも大丈夫」とすごく安心したことをよく覚えています。

私の所属していた専攻は全員女性の計41名でしたが、女の子が41人も集まってこんなに仲良くできる集団はなかなかないんじゃない?と思うくらい素敵な人たちの集まりでした。この大学で、この学年で本当に良かったなぁと思っています。

大学のアカペラサークルで出会ったみんなは本当~~に個性豊かな人たちの集まりで、未だに思い出しては笑える思い出がたくさんあります。

私はみんなが楽しそうにステージで歌っている姿を見るのが大好きでした。今でも仲良くしてくれるみんなは、インドア派のわたしをアウトドアに連れて行ってくれるとっても貴重な存在です。これからもキャンプに行こうね。

友達と過ごした毎日や交わした数多くの会話は、まるで陽の光や恵みの雨のように私を大きく成長させてくれました。

私と同じように、(夫)さんの友達や同僚、上司の皆さまも、今の(夫)さんに大きな影響を与えているのだろうなと思っています。

皆さんにとって大切な存在である(夫)さんを、これからも尊重しながら共に生きていきたいと強く思います。

中学校の卒業アルバムに友達が書いてくれた言葉で、とても印象に残っているものがあります。「ずっといちばんの友達でいられるとは限らないけれど、この時間を一緒に過ごせてよかった。これから先も幸せでいてね」という内容でした。

中学生当時の私はあまりに子供だったので、「なんでそんな悲しいこと言うんだろう」と思ったものですが、今になってその言葉が心から理解できるようになりました。

学生時代に仲良くしていた友達でもいつの間にか連絡を取らなくなっていたり、むしろ大人になってから仲良くなった友達がいたりと、人付き合いはすごく流動的なものだと感じます。

ずっと仲良しでいてね、というのは正直難しいことだけど、万が一お互いが別の道を進むことになっても、いつまでもあなたのことを大事に思っている人がここに一人いることは決して忘れないでほしいなと思います。

また、(夫)さんのご家族は、初めてお会いしたときからすごく優しく接してくださり、(夫)さんの愛情深さと器の大きさのルーツを改めて知ったような気持ちになりました。

お父様お母様、そしてお兄様の○○さんと奥様の△△さん、皆様にそれぞれ素敵だなぁと思うところがありますし、家族になれたことを嬉しく思います。

結びになりますが、(夫)さんへ。お付き合いを始めてから5年間、心から誠実に向き合ってくれました。どんなに自分が疲れているときや大変なことがあったときでも、いつでも優しい(夫)さんが大好きです。

夫としてはもちろん、人生の先輩としても尊敬する部分がたくさんあります。

私が今やっているライターのお仕事も、(夫)さんが背中を押してくれなければ到底仕事として続けることはできなかったでしょう。「自分が好きだと思える仕事をやっていいんだよ」「いざとなったら俺がいるから」その言葉に何度救われたことか。

これからもたくさん同じ時間を共有して、あなたに心からの恩返しがしたいです。

ものすごく長くなってしまいましたが、どうしても皆様に感謝の気持ちをお伝えしたくてこの手紙を書きました。

お話したことや今日の出来事が少しでも皆さんの心に残って、これからの日々にふと思い出しては温かい気持ちになれるような、そんな1日であればいいなと願っています。

わたしたちの日々を彩ってくださる皆様に、改めてお礼を申し上げます。

2021年6月19日
皆様へ愛を込めて
竹花 美里

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