見出し画像

J1全チームの2020シーズン陣容チェック

※柏、清水、神戸は新体制発表前

北海道コンサドーレ札幌

画像1

OUT
FW岩崎悠人(→湘南)

実質的なOUTは岩崎のみ、新加入はルーキー3人のみとかなり静かなオフになった札幌。ミシャ体制も3年目に入り、現有戦力の熟成で上位進出を狙う。26人の少数精鋭で全ポジション層が厚いとは言えないが、コンバートなどでやりくりしていくだろう。新戦力もルーキーながら、東京五輪代表候補の田中と昨季すでにトップチームで試合に絡んでいた金子、高嶺と全員即戦力だ。

ベガルタ仙台

画像2

OUT
DF永戸勝也(→鹿島)
DF大岩一貴(→湘南)
MF梁勇基(→鳥栖)
MF吉尾海夏(→町田)
FWハモン・ロペス(→未定)
FW石原直樹(→湘南)
FW阿部拓馬(→琉球)
FWジオゴ・アコスタ(→未定)

6シーズンに渡ってチームを指揮した渡邉晋前監督に代わって、昨季まで山形を指揮していた木山新監督を迎えた。新監督は4バックの継続を示唆しているため上記の布陣に。層が薄くなったのは大岩が去ったセンターバックと4人が去った前線。前線は新外国人ゲデスが不発だと厳しくなりそうだ。永戸が去った左サイドバックも新外国人のパラを迎えたが、実力は未知数。逆に、2列目は鳥栖からクエンカを引き抜き実質的に戦力アップ。木山新監督が山形でも採用していた3バックへの変更もあるか。

鹿島アントラーズ

画像3

OUT
GK川俣慎一郎(→南葛SC)
DFチョン・スンヒョン(→蔚山現代)
DF小田逸稀(→町田)
DF小池裕太(→C大阪)
MFレアンドロ(→FC東京)
MF中村充孝(→山形)
FW山口一真(→水戸)
FW有馬幸太郎(→栃木)
FW相馬勇紀(→名古屋)

2シーズン半指揮してきた大岩剛前監督に代わり、レッドブル・ブラジルで結果を残したザーゴ新監督を招聘した鹿島。例年以上に出入りの激しいオフになっている。サイドバックは広瀬、永戸、杉岡と即戦力3人を迎え、戦力アップに成功。ボランチにファン・アラーノ、前線にエヴェラウドと2人の新助っ人を加え、こちらも厚みを増している。ただ、2列目から前はやや層が薄く、懸念材料はここか。また、セルジーニョの去就が微妙となっており、クラブは流出に備えて新外国人獲得に動いている。

浦和レッズ

画像18

OUT
GK岩舘直(→未定)
DF森脇良太(→京都)
DF大城蛍(→鳥取)
MF池髙暢希(→富山)

大槻体制2季目に入り巻き返しを期すシーズンだ。だが、今オフは補強に大苦戦。新潟からJ2得点王のレオナルドを獲得したものの、それ以外は全て断られ、人員整理が思うように進まなかった。そのため、フロントはこの先の補強についても示唆している。今季は初日から4-4-2を導入。元々戦力の揃っているチームのため大きな穴はないが、強いて言えば最終ラインか。補強失敗が尾を引き、指揮官の中で計算が立っている選手は決して多くはないはずだ。

柏レイソル

画像5

OUT
GK猿田遥己(→G大阪)
DF田上大地(→新潟)
DF上島拓巳(→福岡)
DF宮本駿晃(→山形)
DF杉井颯(→金沢)
MF手塚康平(→横浜FC)
MFガブリエル(→フラメンゴ)
MF田中陸(→山口)
MF菊池大介(→福岡)

目標通り1年でJ1に復帰。リスタートしたネルシーニョ体制2季目の今季は中位以上が現実的な目標だろう。その補強は期待以上だ。人員整理で多くの若手を武者修行に出したが、主力の流出はゼロ。唯一懸念されている中村の退団も、キム・スンギュの獲得で穴は埋まっている。あとは、オルンガの海外移籍くらいか。それでも、各ポジションに即戦力を補強。特に高齢化の進んでいたセンターバックに高橋祐と大南を加えて若返りを目論み、層の薄かったアタッカーには呉屋、仲間、神谷とJ2で結果を残した三者三様の面々を加え、一気に層が厚くなった。

FC東京

画像6

OUT
DFオ・ジェソク(→G大阪)
DF岡崎慎(→清水)
MFユ・インス(→城南FC)
MF大森晃太郎(→磐田)
FWナッタウット(→バンコクユナイテッド)

昨季はリーグ優勝まであと一歩に迫ったFC東京。長谷川体制3季目の今季こそ悲願の優勝を狙う。指揮官はケガを抱えるディエゴ・オリヴェイラや永井の存在や、得点力アップを狙って4-3-3への挑戦を明言している。前線にはJで実績のあるアダイウトン、レアンドロの両助っ人を獲得し、層が厚くなっている。チャン・ヒョンスの退団以降層の薄かったセンターバックにも、ジョアン・オマリを加えた。懸念は献身的で健太サッカーでは貢献度の高い大森が抜けたことと、層の薄いサイドバックか。右に山形で経験を積んだ柳、左にトップチームでの試合経験のあるバングーナガンデを迎えたが、退団したオ・ジェソクのような確実に計算できる存在とはまだ言えないだけに、過密日程で踏ん張れるかがカギになりそうだ。

川崎フロンターレ

画像7

OUT
GK新井章太(→千葉)
DF奈良竜樹(→鹿島)
DF馬渡和彰(→湘南)
DFマギーニョ(→横浜FC)
MF阿部浩之(→名古屋)
FW知念慶(→大分)

リーグ3連覇を逃し、鬼木体制4季目はリスタートのシーズンとなる。今オフは奈良や新井など戦力として計算されていた面々を多数流出。戦力ダウンは免れないが、元々飽和していた状態からの整理という目的もあったので計算内だろう。ただ、リーグ連覇に大きく貢献した阿部は代えが効かない存在だったため、それなりの痛手のはずだ。それでもアタッカー陣は充実しており、三笘、旗手、イサカのルーキートリオも即戦力。中村が大ケガで開幕絶望というダメージも、彼らと昨季台頭した脇坂の存在で軽減されるだろう。懸案は層の薄いセンターバックと右サイドバック。特に右サイドバックは総入れ替えしたが、彼らが期待に応えられないと、今季も登里や守田らのコンバートなどやりくりに苦労しそうだ。

横浜F・マリノス

画像8

OUT
GK杉本大地(→磐田)
DFドゥシャン(→徳島)
DF栗原勇蔵(→引退)
DF広瀬陸斗(→鹿島)
MF中川風希(→京都)
MF泉澤仁(→甲府)
FW李忠成(→京都)
FWマテウス(→名古屋)
FW山谷侑士(→水戸)

昨季は15年ぶりのリーグ優勝、今季は連覇を狙うポステコグルー体制3年目だ。このオフでは広瀬やマテウスといった主力が退団、バックアッパーたちもチームを去ったものの、多くの即戦力を補強。27人という少数精鋭ではあるが、そのほとんどが戦力として計算できる面々である。前線には大分からオナイウを補強。昨季ケガで稼働率の高くないエジガル・ジュニオと途中加入で大活躍のエリキと、駒を揃えた。ウィングとトップ下にも水沼、杉本、仙頭と即戦力を補強。最終ラインにも前と山本という、J2で実績のある面々を加えた。懸念は少数が故の層の薄さ。昨季もケガ人でチーム力がダウンした時期があっただけに、特にセンターラインの選手たちが抜けた際が正念場となりそうだ。

横浜FC

画像9

OUT
GK大内一生(→YS横浜)
GK辻周吾(→愛媛)
DF田所諒(→引退)
DF北爪健吾(→柏)
MF渡邊一仁(→愛媛)
MF山本凌太郎(→未定)
FW戸島章(→大宮)
FW立花歩夢(→未定)

13年ぶりのJ1となる今季、昨季途中から率いる下平監督の下、まずは残留を目指して戦うことになる。主力で抜けたのは北爪のみ。補強は多くはないが、必要なところに即戦力を加えた格好だ。現状、ピンポイントで不安なのは北爪が抜け、新戦力が必然的にその穴を埋めることになる右サイドバックくらいだろう。おそらく、大負けすることはないように思える。ただ、全体的にJ1未経験の若手+ベテランという、ある種歪な構成になっているので、それでシーズンを戦い抜けるのか、というのが一番のポイントになってきそうだ。特に守備陣のセンターラインは尚更である。

湘南ベルマーレ

画像10

OUT
GK秋元陽太(→町田)
GK松原修平(→群馬)
GK真田幸太(→奈良クラブ)
DFフレイレ(→長崎)
DF杉岡大暉(→鹿島)
DF山根視来(→川崎F)
DF小野田将人(→山形)
DF福島隼斗(→福島)
MF菊地俊介(→大宮)
MF新井光(→鳥取)
FW山﨑凌吾(→名古屋)
FW野田隆之介(→京都)
FW山口和樹(→琉球)

監督交代など激動を乗り越えて、なんとかJ1残留を果たした昨季。再出発となる今季、昨季途中に就任した浮嶋監督の下でまずは3年連続のJ1残留を狙う。今オフは出入りが激しく、秋元や杉岡、菊地、山﨑といった主力が退団。特に前線の柱となっていた山﨑の退団は痛手で、石原が久々に古巣に帰還したものの、交渉中のクリスランが残留しなければ、大幅なマイナスは避けられないだろう。その他のポジションは比較的戦力維持に成功しているが、懸案は最終ライン。元々層が厚くない上に、山根とフレイレが抜けた穴は大きく、即戦力で加えたのは大岩のみ、と戦力ダウンは否めない。

清水エスパルス

画像18

OUT
GK六反勇治(→横浜FC)
GK高木和徹(→長崎)
DF鎌田翔雅(→未定)
DF水谷拓磨(→長野)
DF二見宏志(→長崎)
DF飯田貴敬(→京都)
MF楠神順平(→未定)
FWドウグラス(→神戸)

昨季はリーグ最多失点を喫し、監督交代も経験、残留を決めたのは最終節、と苦しいシーズンを過ごした。今季は昨季途中就任の篠田善之前監督をコーチに戻し、監督には横浜FMでヘッドコーチを務めていたクラモフスキー氏を招聘。攻撃的サッカーを目論む。補強は大きな動きはなく、戦力は現状維持で動いていた。二見が抜けたセンターバックには、東京五輪代表候補の岡崎を加え、さらにブラジル人のヴァルドの獲得も濃厚とされており、着実に穴を埋めている。ただ、ここに来て絶対的エースだったドウグラスが退団。後釜の話は出ておらず、このままだとチームは大幅な戦力ダウンで開幕を迎えることになりそうだ。

名古屋グランパス

画像12

OUT
MF伊藤洋輝(→磐田)
MF杉森考起(→徳島)
MF榎本大輝(→徳島)
MF和泉竜司(→鹿島)
MF深堀隼平(→水戸)
MF山田康太(→水戸)
FW赤﨑秀平(→仙台)

昨季は残留争いに巻き込まれ、シーズン途中に監督交代で大きく方針転換。今季は引き続きフィッカデンティ監督が指揮を執り、上位進出を狙う。昨季戦力に計算されていた和泉と赤﨑が抜けたものの、それ以外の流出は今のところなし。フィッカデンティ体制で求められる独力で打開できるアタッカーを揃えるため、クラブは相馬とマテウス、秋山を戻し、さらに攻守のリンクマンとして阿部も獲得。アタッカー陣は比較的層が厚くなっている。ただ、センターバックの補強はゼロ。アンカーとインサイドハーフも稲垣を加えたのみで層が薄く、エドゥアルド・ネットの交渉次第ではかなり危ういことになる可能性も。

ガンバ大阪

画像13

OUT
GK林瑞輝'(→山口)
GK田尻健(→鳥取)
GK谷晃生(→湘南)
DF青山直晃(→鹿児島)
MFダビド・コンチャ(→レアル・ソシエダ)
MFマルケル・スサエタ(→未定)
MF鈴木雄斗(→松本)
MF髙江麗央(→町田)

昨季は終盤戦こそ巻き返したものの、中々調子が上がらずに低迷。宮本体制3季目の今季こそ、西の雄の復権を狙う。ただ、今オフの動きは静か。主力の放出がない代わりに、大型補強もなし。復帰したオ・ジェソクを除けば、即戦力は最終ラインの新里、ユーティリティなアタッカーとして小野ぐらいだろうか。ただ、昨夏に井手口、宇佐美、パトリックを加えており、彼らのシーズン通しての稼働が補強とも言えるだろう。

セレッソ大阪

画像14

OUT
GK圍謙太朗(→松本)
GK丹野研太(→川崎F)
DF藤本康太(→引退)
DF舩木翔(→磐田)
MF水沼宏太(→横浜FM)
MF大山武蔵(→未定)
MF田中亜土夢(→未定)
MFポンラヴィチュ(→BGパトゥン ユナイテッドFC)
MF斧澤隼輝(→北九州)
MF丸岡満(→未定)

ロティーナ体制2年目を迎える。主力の放出は水沼と中東クラブへの移籍が濃厚なソウザくらいか。水沼の穴は山形から坂元、ベルギーから豊川を獲得して穴埋め。ソウザの穴も、ブラジルから新助っ人を迎えることで埋めようとしている。その他にも、バックアップとして左サイドバックに小池、武者修行から帰ってきた庄司、前川、喜田を補強。層は厚くなっている。前線もケガから都倉が復帰することや、スーパールーキーの西川の存在がチームを活性化させる。

ヴィッセル神戸

画像15

OUT
GK荻晃太(→未定)
DF那須大亮(→引退)
DFジョアン・オマリ(→FC東京)
MF増山朝陽(→福岡)
FWダビド・ビジャ(→引退)
FWウェリントン(→未定)

昨季は2度の監督交代を乗り越え、クラブ初タイトルとなる天皇杯優勝を成し遂げた。フィンク体制2年目は初のアジアの舞台にも挑む。主力の流出は現状、引退したビジャのみ。そのビジャの穴もJで実績のあるドウグラスを獲得することで、確実に埋めている。ただ、ポドルスキの去就次第では枚数的に厳しくなりそうだ。サイドには初瀬が復帰、また最終ラインには山口から菊池、筑波大のルーキー山川を迎え、着実に層を厚くした。ただ、全体的に年齢層が高めな上、人数的に多くはないので、連戦に耐えられるかがカギとなるだろう。

サンフレッチェ広島

画像16

OUT
DFエミル・サロモンソン(→福岡)
MF吉野恭平(→仙台)
MF稲垣祥(→名古屋)
FW渡大生(→大分)

昨季は世代交代を進めながら6位フィニッシュ。城福体制3年目の今季も方針継続でより上位を狙う。主力ではボランチの稲垣が名古屋に移籍。茶島を千葉から連れ戻したが、期待がかかるのは東京五輪代表候補の松本泰だろう。層の薄かった最終ラインには大宮から櫛引を補強。前線には松本から永井、水戸から浅野、新助っ人エゼキエウを迎え、バリエーションが増した。サイドの層が薄いが、東や茶島の起用で乗り切るか。

サガン鳥栖

画像17

OUT
GK石川慧(→G大阪)
DF三丸拡(→柏)
DF高橋祐治(→柏)
DF金井貢史(→名古屋)
DF藤田優人(→甲府)
DF安在和樹(→山口)
DF谷口博之(→引退)
MF福田晃斗(→湘南)
MFイサック・クエンカ(→仙台)
MF石川啓人(→熊本)
FW小野裕二(→G大阪)

昨季は2年連続で残留争いに巻き込まれた。今季は2年連続で途中就任していた金明輝監督が初めて指揮を執るシーズンになる。ただ、その道のりは険しい。緊縮財政のため、主力が多く流出。センターバックの高橋祐、サイドバックの三丸と金井、中盤の福田、アタッカーの小野とクエンカと、昨季のチームの軸を担っていた面々がチームを離れてしまった。ただ、補強にも動いている。最後尾には松本の守護神だった守田、センターバックにはエドゥアルドと宮というレフティー2人、左サイドバックには徳島から内田やルーキー森下が加入。2列目にも仙台から梁勇基、京都から湯澤を迎え、選手層は薄くはない。新加入選手の出来がシーズンを左右しそうだ。なお、チアゴ・アウベスは交渉中だが残留濃厚だ。

大分トリニータ

画像18

OUT
GK小島亨介(→新潟)
GKポープ・ウィリアム(→岡山)
DF岡野洵(→千葉)
MF丸谷拓也(→引退)
MF嶋田慎太郎(→大宮)
MFティティパン(→パトゥム・ユナイテッドFC)
MF伊藤涼太郎(→浦和)
FW後藤優介(→清水)
FWオナイウ阿道(→横浜FM)

昨季は昇格組として残留どころか、一時上位争いを演じるなど旋風を巻き起こした。5年目を迎える片野坂体制は引き続きJ1定着、そして上位進出を今季も狙っている。ただ、資金力で劣るチームなだけに主力の流出は避けられない。今オフもチーム得点王のオナイウらが退団。それでも、前線には川崎Fから武者修行でやってきた知念、広島から迎え入れた渡、J3で結果を残した髙澤と3人のFWを獲得。さらに、徳島から野村、松本から町田も獲得してシャドーの層も厚くした。サイドにも長崎から香川、ボランチには甲府から佐藤、最終ラインには甲府から小出を獲得。それぞれのポジションに即戦力を獲得。ビッグネームや助っ人はいないが、今季も着々と戦える状態へと陣容を整えている。

遠征費とスタグル代に充てるので、恵んでください