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【ミッション達成】ルヴァンカップ PO 第1戦 清水エスパルス-鹿島アントラーズ レビュー

戦前

鹿島アントラーズ

・現在リーグ戦は8位、ルヴァン杯はグループステージAグループを1位通過

・リーグ戦は前節川崎フロンターレに1-2で敗戦

・今節は中2日で迎える

・代表招集により、沖悠哉、町田浩樹、上田綺世が不在

清水エスパルス

・現在リーグ戦は15位、ルヴァン杯はグループステージDグループを2位通過

・リーグ戦は前節横浜F・マリノスに1-2で敗戦

・今節は同じく中2日で迎える

・代表招集により、権田修一が不在

今季対戦時

・リーグ開幕戦で対戦。鹿島は荒木遼太郎のゴールで先制するも、3失点を喫して逆転負け。

スタメン

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鹿島は川崎F戦から先発総入れ替え

・エヴェラウドは約2か月ぶりの先発

清水は横浜FM戦から7人変更

・ヴァウド、福森直也、エウシーニョ、宮本航汰は連戦

清水の狙い

守備時は5-2-3⇔5-3-2⇔5-4-1
・基本的には高い位置からプレッシングを仕掛けたい
・前からいくリスクは、後ろの3バックで担保
・ボール運ばれたら、2シャドーの一角(主に鈴木唯)が中盤に下がってヘルプ
攻撃時は3-4-3⇔4-4-2
・基本は3バックで組み立てるも、右ウイングバックのエウシーニョが下がってボールを受けることも。その場合は右シャドーの中山克広がサイドに流れて裏を狙う。
・数的優位を確保してボールを運びながら、サイドの優位性を活かしたい
・サイドチェンジで揺さぶりつつサイドの選手にボールを届ける→サイドの選手のキック精度や突破力で局面打開→クロスからフィニッシュ

勢いづく鹿島

試合はキックオフ直後から清水がボールを保持する展開だったが、鹿島は最初のセットプレーをスコアに結びつける。8分、左サイドからのコーナーキック。永木亮太のキックにファーサイドで飛び込んだ林尚輝が合わせて、鹿島は先制に成功。林のプロ初ゴールは貴重なアウェイゴールとなった。

このセットプレーは鹿島の狙い通りだったはず。ターゲットをマークをつけられていたエヴェラウドではなく林にしたのもそうだし、ファン・アラーノがキーパーをブロックして出にくくしながら永木がファーサイドにボールを蹴ったのもそうだろう。早い時間帯にリードを奪えたことで、鹿島としてはかなり戦いやすくなった。

先制後、前半の飲水タイムくらいまでは鹿島のペースが続いていた。前からプレスを掛けてくる清水に対して、鹿島はロングボールと右サイドの2つの逃げ場を用意。その2つとも機能していたのが大きかった。前線ではエヴェラウド、アルトゥール・カイキ、遠藤康がフィジカルを活かしてボールを収めてくれるし、右サイドは広瀬陸斗がボールを失わずに前に繋いでくれる。さらに、相手にとって厄介だったのはアラーノの存在だろう。5-2-3で守ることの多かった清水にとって、中盤のボランチの脇はどうしてもスペースが生まれてしまう。アラーノはそこに顔を出してボールを引き出し、相手ゴールへと迫っていくことで、相手の脅威となっていた。この時間帯で追加点が奪えていれば、鹿島はさらに優位な状況に立てていたはずだ。

再現性ある清水の攻め筋

だが、清水も巻き返していく。中盤のスペースは5-2-3⇔5-3-2のスライドを素早くすることで埋め、徐々にボールを支配するようになる。効いていたのはエウシーニョのポジショニングだ。左サイドにボールがある時は右サイドの高い位置で張り、すぐにシュートチャンスを演出できるようになっているし、右サイドにボールがある時は下がってボールを引き出すことで、鹿島の左サイドバックを引きずり出し、中山が突ける裏のスペースを作り出していた。

鹿島も清水と同じく前線からのプレッシャーを強くしていたが、清水の配置性が優れていたのと、どうしても個々の強度にバラツキがあることから、ボールを運ばれてしまうシーンが目立つようになる。鹿島はボールを運ばれると、中央に圧縮した守備陣形を取る。サイドにボールを運ばれても、ボールを運ばれるまでの時間でスライドできれば対応できるし、サイドからなら一発でゴールに迫る可能性は低いからだ。

だが、鹿島はこのスライドした時の守備に甘さがある。各々でポジショニングを微妙に修正しきれずに、相手のアタッカーに時間とスペースを与えてしまったり、中央でボールを引き出せる余裕を与えてしまったりと。特にサイドチェンジを連続されると、それが顕著になってくる。これまでは小泉慶の奮闘もあってそもそもサイドチェンジをさせないなどしてカバーしていた部分もあったが、全員が小泉のような守備強度ではないため、ごまかし切れない部分が出てきてしまったのが今節の現象だった。

巻き返した清水は後半になると再現性を持って攻め込めるようになった。ただ、スコアは最後まで動かず。理由としては守備陣が粘りを見せたのが一つ。特にセンターバックを中心とした中央の守備は堅く、最後まで破られることはなかった。もう一つはカウンターでこちらも攻め手を繰り出せていたこと。守備の強度と引き換えに今節の攻撃陣にはそれぞれ特長がハッキリしており、彼らだけで攻撃を完結させられる力がある。その彼らの力によって、鹿島は一方的に押し込まれることを防げていた。

試合は結局、8分のゴールを守り切った鹿島が勝利。アドバンテージを持って、ホームの第2戦に臨めることになった。

まとめ

連戦でメンバーを入れ替えざるを得なかった中で、リードを持ってホームに帰るというミッションを達成できたのは何より評価できるポイントだろう。ノックアウト方式になり、タイトル獲得のために必要なのは結果が一番。復帰したエヴェラウドも徐々にコンディションを上げており、チームとしての底上げも出来つつある。

相馬直樹監督は試合を重ねていく中で徐々にチームコンセプトを固めつつあるが、現状メンバーによってその機能性の良し悪しがハッキリしてきている。どんなメンバーでも同じコンセプトで戦うよう徹底させるのか、それともメンバーによって戦い方を微調整していくのか。このあたりは相馬監督の判断のしどころだろう。

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