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鹿島アントラーズ2022シーズン前半戦選手別レビュー(前編)

GK

No.1 クォン・スンテ

リーグ戦16試合出場(16試合先発)21失点

今季は開幕から守護神の座に定着。流石の安定感を見せている。このところ失点は増えているが、スンテがいなければおそらくもっと失点している。自身のプレーでも派手さはないがミスも少なく、何よりコーチングでチーム全体を動かせているのが大きい。チームオーダーにも沿っているし。あとは、唐突に相手にキレるのだけやめていただければ…。

No.29 早川友基

リーグ戦出場なし

今季の立ち位置は第3GK。カップ戦などではちょいちょいベンチ入りしている。スンテと沖が安定しているので、チャンスが巡ってくるかと言われると、中々に厳しそう。

No.31 沖悠哉

リーグ戦出場なし

今季は第2GKとして、地味に全試合でメンバー入りしている。出場はカップ戦だけに留まっており、スンテの壁が厚いのは間違いないが、今季は昨季のような突拍子のない判断ミスがなくなり、結構安定して見ていられるようになった。落ち着いてくると、キック精度の高さも活きてくるので、このプレーを続けながら、チャンスを窺いたい。

No.38 山田大樹

リーグ戦出場なし

ケガ明けの今季は今のところ第4GKの立ち位置で、公式戦にも絡めていない。これは山田個人というより編成の問題なのだが、山田や早川といったポテンシャルのある面々を揃えておいて、試合に出られる環境でないというのはちょっと悲しい部分がある。現実的にはまず第3GKの立ち位置を狙うところからだろう。

DF

No.2 安西幸輝

リーグ戦16試合出場(16試合先発)

開幕から左サイドバックとしてフル稼働。他にライバルがいないのもあって、不動の地位を築いている。ただ、攻守にポジショニングが怪しく、そこにいて相手は嫌がってるの?みたいな位置にいることは結構ある。あと、ここまで得点に絡んだのがカップ戦のアシスト1つだけというのは寂しい限り。ただ、ヴァイラーが監督になってサイドバックのオーバーラップはそこまで求められていないというのは、安西にとって向かい風になっているのかも。サイドバックが上がってくる前に仕留めたいだろうし。まあ、ここまで言っても一定の計算は出来るし、じゃあ安西の代わりに誰を使うのかって言って出てくる選手はいないので、安西を使い続けてパフォーマンス向上を待った方が賢明でしょう。

No.5 関川郁万

リーグ戦15試合出場(14試合先発)

センターバックの軸として期待された今季は、開幕直後こそズタボロだったものの、ここまでまずまずのパフォーマンスを見せている。相変わらず地上戦では強いし、縦パスの質と精度はトップクラス。中盤のスペースに入り込んだ味方に効果的なパスで、相手の守備組織を壊すのに役立っている。課題は空中戦と押し込まれた時の耐久度。セットプレーで関川のマーカーから失点することが結構あるし、ペナルティエリアに持ち込まれると今の鹿島は簡単にやられやすくなってしまっている。ただ、メンバー的に関川が相手の一番強いアタッカーを相手にしなければいけないので、その辺のしんどさは考慮すべきかと。たぶん、町田浩樹みたいな選手が相方にいた方が絶対いい。

No.15 ブエノ

リーグ戦4試合出場(3試合先発)1アシスト

現状はセンターバック3番手の立ち位置で、相手にフィジカルモンスターがいる時は、対人兵器として出場機会を得ているが、信頼は掴めていない。原因はとにかく調子の波が激しすぎること。相手を止めまくる無双ぶりを見せることもあれば、からっきしでぶち抜かれてミス連発という日もあって、そのサイコロを振ってみないとどっちに転ぶかわからないというのは、センターバックで使うにはあまりもリスキーすぎる。ただ、今の鹿島の守備陣が対人に課題を抱えているのは間違いないので、なんとか当たりの日を連続で出せるように持っていきたいところ。

No.16 小田逸稀

リーグ戦出場なし

復帰した今季はここまでリーグ戦の出番はなく、カップ戦の出場に留まっている。カップ戦でも本職のサイドバックでスタートから使われた試合はわずかで、途中出場や2列目で使われることの方が多く、信頼を掴みきれていない状態だ。プレーぶりがそこまで酷いのかって言うとそんなことないのだけれど、プレーの幅が狭いのと、基本的に雑なので、これではな…っていうのはある。大外に開いて、縦一本勝負だけだったら、間違いなく安西の方が上だし。ただ、空中戦は相変わらず強いので、上手いことその辺を活かしたい。

No.20 キム・ミンテ

リーグ戦9試合出場(3試合先発)

センターバックの即戦力で加入し、開幕直後はそのポジションで使われていたが、今は完全にボランチ主体の守備陣のバックアップ兼パワープレー要員の立ち位置になっている。今の鹿島だとセンターバックはガンガン前に出て潰してほしいのだが、ミンテはどっちかというと待って最後にはね返せればOKみたいなスタンスでプレーしているので、その辺が合っていないというのはありそう。ただ、ボランチでやらせるとガンガン潰しにいくので、おそらくその辺は後ろに人がいるかいないかの差が出てるのかもしれない。あと、ヴァイラーは質はともかく、前にパスを付ける姿勢と付け所の良さを評価していそう。でも、思っていたのと完全に違う使われ方をしているので、その皺寄せが他の面々に来ているのは否めない。

No.22 広瀬陸斗

リーグ戦4試合出場(1試合先発)

ここまでサイドバックのバックアッパーの立ち位置から抜け出せず、岩政監督代行期はもう少し出場機会が増えそうだったが、強度大好きヴァイラーになってからは常本との差が広がってしまった感がある。たしかに、ボールを持ってなんぼの選手なので、走ることに関しては常本や安西と差があるのは否めない。それでも、ボールを持った時の技術の高さはどう考えてもベンチに置いておけるレベルではないので、何とももったいないところ。このままだとこの贅沢な使い方を続けざるを得ないのが、歯がゆい。

No.23 林尚輝

リーグ戦出場なし

今季は開幕して早々にケガして離脱。プレーは寄せの甘さで三竿と岩政監督代行にブチ切れられたPSMの水戸戦でしか見られていないし、復帰はしたものの、ここまで公式戦で出場機会は掴めていない。今の守備陣は人手不足なので、何かあればチャンスは来そうだが、すでにルヴァンカップと天皇杯の初戦が終わっているのはマイナスかも。

No.28 溝口修平

リーグ戦出場なし

ルーキーイヤーの今季はここまでカップ戦2試合に出場。天皇杯ではプロ初出場の機会も掴んだ。おそらく本職だけなら、現状左サイドバックの2番手のはず。キックの質が良く、また外に張っても中に入っても器用にプレー出来るので、レフティということもあり、そうした攻撃面の良さが評価されているのだろう。課題は状況判断と守備面。まだプロのスピードに慣れきっていない感があるので、そこのアジャストを速めたいところ。

No.32 常本佳吾

リーグ戦16試合出場(15試合先発)1アシスト

2年目の今季もレギュラーの座を確保。広瀬との併用もありそうな感じはあったが、ヴァイラーが指揮を執るようになってから、その座は完全に不動のものになっている。走れるし、守備面でも攻撃面でも頭抜けているわけではないけど確実に平均点以上を叩き出してくれるので、とにかく計算しやすい部分はある。クロスもそんなにピンポイント狙わなくても、今のターゲットたちなら無理やりにでも合わせてくれるし。鈴木優磨の大外へのサイドチェンジを受け取るだけでなく、中でのプレーもソツなくこなすのはプラスポイント。ただ、スローインはもうちょっと改善した方がいい。

後編に続く…

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