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鹿島アントラーズの2020開幕スタメンを予想する

2020シーズンのリーグ戦開幕まで2週間を切り、いよいよシーズンが始まるという時期になってきた。新監督を迎え、ここ数シーズンの雪辱を誓う鹿島アントラーズにとって、リーグ開幕戦のサンフレッチェ広島戦はスタートダッシュを決める意味でも、現体制での自信を深める意味でも重要な試合になる。
ただ、チームはここまでACLプレーオフとPSM水戸戦をこなしているが、2試合でスタメンを大幅に入れ替えており、また練習でも主力とサブを明確に区別している訳ではないため、誰が現時点で監督の信頼を掴んでいるのか、曖昧なところになっている。そこで、今回は誰がどこのポジションで使われ、そこでの序列はどうなっているのかを予想し、そこから開幕スタメンを予想していく。なお、布陣は鹿島伝統の4-4-2と予想した。

記号の見方

◎:スタメン当確
○:スタメン有力
△:当落線上
×:バックアップ
※:ケガ人

ゴールキーパー

◎クォン・スンテ
△曽ヶ端準
△沖悠哉
×山田大樹

おそらく今季もクォン・スンテがゴールマウスを守ることになるだろう。キック精度にこそ不安は残るが、シュートストップ、ハイボールへの対応といった守備面はJリーグでもトップレベルであり、ミスが少ないのも監督としては計算しやすい部分のはずだ。今季から通訳が不在となるが、日本語での会話はほぼ問題なく、コーチングの面でも期待できるだろう。
昨季までなら第2GKも大ベテラン曽ヶ端で固定され完全に無風地帯だったのだが、プレシーズンで沖がビルドアップという武器を活かしてアピールに成功。今季はACLではなくルヴァンカップをミッドウィークに戦うことを考えると、経験値という観点も込みで沖がスタメン、ベンチ入りを果たす試合も増えるのではないだろうか。山田は現状では一番下だが、アピールを続けて一つずつ序列を上げていきたい。

センターバック

○犬飼智也
○奈良竜樹
○関川郁万
○町田浩樹
○ブエノ

鹿島のポジション争いで、現時点でここが最激戦区だろう。昨季の実績からいって一番手はブエノだったが、ケガで出遅れ合流したばかり。また、ACLで先発起用された犬飼と奈良も過去の実績等を考えれば十分に有力視出来たが、そのACLで満足できるパフォーマンスとはいかず。それに代わるように水戸戦で評価を高めたのが町田と関川の二人。ザーゴが重視するビルドアップの面で適応度の高さを示し、一気にポジション争いの行方をわからなくさせた。正直、この中で誰がスタメンになってもおかしくはない。ザーゴのサッカーに求められるセンターバック像は、最終ラインからテンポよくボールを動かして前進させ、また守備面では広い守備範囲と対人の強さが必須のものだ。この部分で信頼を勝ち取った選手がスタメンに選ばれるだろう。

右サイドバック

◎広瀬陸斗
×山本脩斗
※内田篤人
※伊東幸敏

本職かつ昨季も在籍していた内田と伊東がケガで離脱中。このポジションには新加入の広瀬が入ることになりそうだ。攻撃参加に加え、キック精度の高さにも定評のある広瀬のパフォーマンスは、ビルドアップにおいてもチャンスを演出するという意味でも一つのカギとなってくる。理想はリバプールのアレクサンダー=アーノルドだ。また、本職が左サイドの山本はケガ人たちが復帰するまでの間バックアップとして、カップ戦などを軸に右サイドで使われる機会がありそうだ。

左サイドバック

○永戸勝也
△山本脩斗
△杉岡大暉
△佐々木翔悟

現時点でリードしているのは新加入の永戸だろう。こちらも右サイドの広瀬と同じく、持ち前のキック精度の高さがチームパフォーマンスにおいてもカギになってくる。セットプレーのキッカーとしても期待したいところだ。
他にこのポジションを本職とする選手たちにも、序列を逆転する可能性は十分に残っている。山本は右利きという点がビルドアップなどで難点になりそうだが、空中戦の強さと経験から来る安定感はこの中でも抜けたものがある。ただ、前述したようにチーム事情で右サイドでの起用が増えそうだ。杉岡は五輪代表で合流が遅れたこともあり、持ち味を見せる場面は多くないがまだこれからだろう。逆に、2年目の佐々木は始動から練習に加わっていたこともあり、ザーゴからも期待をかけられているようだ。ライバルは多いがチャンスを掴みたい。

ボランチ

◎三竿健斗
○レオ・シルバ
○小泉慶
△永木亮太
×名古新太郎

三竿は当確間違いなしだろう。ボール奪取力に加え、今季からは流れでポジションを動かし、ビルドアップの軸を担う役割も期待されている。新キャプテンにも就任し、彼が先頭に立ってチームを引っ張ることになるはずだ。これまで以上の成長が、今季の鹿島が好成績を残すのには必要不可欠だ。
その三竿の相方はここにきて分からなくなりつつある。当初はレオ・シルバも当確の存在だったが、ここ2試合で強いインパクトを残したとはいえず、またチームも彼の個の力に頼る場面が減ってくるだろう。そうした中で、アピールを続けるのが小泉。昨季は右サイドバックで起用されることが多かったが、今季はボランチで固定されるようだ。繋ぎの部分では課題を残すものの、その出足の鋭さがザーゴに代わってボランチでもプラスに作用するようになってきた。
永木もまずまずのプレーぶりだが、現状のままではベンチスタートになるか。名古はケガで出遅れており、これからだ。ビルドアップはまだまだ発展途上のため、テクニックに自信を持つ彼がボランチに入ることで変化を起こせる可能性も。

2列目

○荒木遼太郎
○ファン・アラーノ
○白崎凌兵
○和泉竜司
△松村優太
※遠藤康

基本的に、右に荒木、アラーノ、松村、遠藤(ケガで出遅れ)、左に白崎と和泉が起用されているが、荒木やアラーノは左サイドで起用されることもあり、また和泉も右サイド起用でも問題ない選手であることから、2列目で一括りとした。
プレシーズンで大きく評価を高めたのはルーキーの荒木。フィジカル面やスタミナはこれからだが、ポジショニングが素晴らしく、ビルドアップを助けたかと思えば自らゴールにも絡み、水戸戦では完全に攻撃を牽引していた。開幕スタメンになっても驚きはないだろう。アラーノも崩しの部分で違いを作れ、また守備への切り替えの意識も高いため、スタメンの有力候補だ。セットプレーのキッカーとしても期待されている。白崎の評価も悪くないが、後述するFWでのプレーぶりの方が評価を高めている。和泉はまだそこまで持ち味を見せられておらず、若干フィットに苦労しているか。ただ、ザーゴは2試合とも彼をスタメンで使っているだけに、期待値は高そうだ。
同じルーキーの荒木ほどではないが、松村も評価を高めておりスタメンは難しくとも、1年目の安部裕葵のようにジョーカーとして起用されるのでは。ベテランの遠藤はケガで離脱しており、ここからの巻き返しが待たれる。

フォワード

◎エヴェラウド
○白崎凌兵
○土居聖真

△伊藤翔
×上田綺世
※染野唯月

センターFWタイプがエヴェラウド、伊藤、上田、染野であり、1.5列目タイプが白崎と土居である。1.5列目タイプの二人のどちらかが起用された場合、守備時は2トップになるが、攻撃時は彼らは下がり目のポジションでプレーすることになるだろう。
前線の軸となりそうなのがエヴェラウドだ。強さを活かしたキープ力、パンチ力あるシュート、そしてスピードもACLでは見せていた。彼の出来不出来が今季のチームの命運を握っている部分は少なくないだけに、早い時期にゴールが欲しいところだ。
その相方を現状では白崎と土居が争っている。昨季までは土居が完全に固定されていたが、水戸戦でこのポジションで起用され、守備の切り替えの早さに加え、アシストという結果でもアピールした白崎も有力候補になってきている。荒木の予想以上の台頭もあり、白崎がこのポジションを軸に起用されてもおかしくないだろう。
伊藤はタスクをよくこなしているが、前線での起点という意味ではエヴェラウドの方が一枚上手か。ただ、昨季よりも彼にゴールチャンスが巡ってきそうなため、決定力という部分でアピールしたいところ。上田はケガから復帰直後のためにアピールはこれから、染野は昨年負ったケガのリハビリ中だ。

開幕スタメン予想

広島戦の予想スタメン

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基本的には前述の予想を元に考えた。センターバックは、広島が今季ドウグラス・ヴィエイラとレアンドロ・ペレイラという高さのある二人のストライカーを同時起用するプランがあることから、その対策という意味で空中戦に自信を持つブエノと町田をチョイス。ボランチは小泉を起用し、個の力を持つレオ・シルバには途中から流れを変える役割を期待。2列目には崩しの部分で違いを作れるアラーノと、荒木を抜擢。同じアウェイ広島戦でデビューしてインパクトを残した、内田篤人の再来を期待したい。

現時点での陣容図

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遠征費とスタグル代に充てるので、恵んでください