Global Tech News(4/13~4/17)

はじめに

グローバルニュースをリサーチしていて、今週はコロナ禍において、グローバルの潮流がどう変化しているのかを垣間見ることができました。

大企業、ベンチャーキャピタル、スタートアップそれぞれの企業形態でできることを最大限していることが伝わります。

1.Coral Capitalが既存投資先への追加投資専用ファンドを設立(運用総額は約150億円へ)

要約

ベンチャーキャピタルCoral Capitalは、既存投資先スタートアップへの追加投資専用のグロースファンドを設立したことを発表した。

なお、既存LPの国内大手機関投資家および事業会社を中心に約27億円で一次募集を完了して、運用総額が約150億円になったとのことだ

グロースファンド設立の目的は、新型コロナウイルス感染症の拡大により世界的な景気後退が懸念されているが、Coral Capitalは既存投資先へより積極的に支援を行うためとのことだ。

補足

Coral Capitalは約150億円を運用するシードステージのベンチャーキャピタルです。シリーズA以前であれば、設立前後からプレシリーズAラウンドまで初回3000万円〜1億円、追加では最大15億円までを投資します。

投資先に対しては採用・資金調達・広報・コミュニティーを中心に、ハンズイフで支援しています。2016年2月より投資を開始し、これまでに合計60社以上に投資を行ってきました。

2.アフリカのゲノムベンチャー54geneが1500万ドルを調達

要約

アメリカとナイジェリアを拠点とするゲノム系スタートアップ企業「54gene」がシリーズAで1500万ドルの資金調達を行なったことがTechCrunchの報道によって明らかになった。

リード投資家は、Adjuvant Capitalということが明らかになっている。Adjuvant Capitalは、ビル&メリンダ・ゲイツ財団とJ.P.モルガンが2012年に設立したグローバル・ヘルス投資基金(GHIF)からインキュベートされている社会課題を行うディープテックスタートアップ向けのファンド。

同社は、アフリカの人々の遺伝子コードを収集し、健康研究や医薬品開発に利用することを目的に設立された。

1,500万ドル(VC総額1,950万ドル)の出資の使い道は、同スタートアップはバイオバンクの機能を20万サンプルまで拡張し、長期的には50万サンプルまで管理することのようだ。

 54geneのCEOであるAbasi Ene-Bong (アバシ・エネボン)博士は「私たちが54genを創業したとき、全世界のゲノム関連研究のうちアフリカで実施されたものは3%以下でした。

少ない理由は、アフリカ人やディアスポラなどののデータが不足していたからです。

なので、私たちは、現在アフリカ大陸の人々のために、精密医療に存在するギャップを対処しようと努力しています」とTechcrunchの取材に対して答えた。

解説

54geneは2019年にEne-Bongによって設立されました。同社は、サンフランシスコに本社を置き、ラゴスに6万サンプルを収容できるバイオバンク施設を持っています。エンジニアリングチームが存在していて、遺伝子データをカタログ化して分析するための独自のプラットフォームがあるとのことです。

そして、54geneはナイジェリアにも300人以上の研究者、臨床医、遺伝学者を抱えています。

ちなみにマッキンゼー・アンド・カンパニーの調査によると、アフリカの製薬産業の価値は約140億ドルと推定されています。

その数値は潜在的な可能性を大きく下回っているとのことです。アフリカの医療不足によって、マラリアが猛威を振るっています。

WHOのデータによると、マラリア患者合計2億1900万人のうち92%がアフリカで発症しているようで、データ不足であることは間違いないのではないかと、筆者は考えます。

3.SONYが新型ウイルスの影響を受けたインディーゲーム開発者を支援するための1,000万ドルのファンド設立を発表

要約

SONYが新型ウイルスの影響を受けたインディーゲーム開発者を支援するための1,000万ドルのファンド設立を発表したことをTechcrunchが報道した。

インディーゲーム(Indie game)とは「Independent game」(独立系ゲーム)の略称で、個人や小規模の開発チーム、新規独立系企業、同人サークルなどによって作られたビデオゲームタイトルの総称。

ファンドの発表と並行して、ソニーは、より多くのプレイステーションユーザーの皆様に室内でのプレイを楽しんでいただくために、『アンチャーテッド. ネイサン・ドレイク・コレクション」と「ジャーニー」をデジタルストアで無料でダウンロードできるようにすることを発表。

解説

2つのニュースは、PlayStationの "Play at Home Initiative "の基礎となるものです。デジタル上でゲームクリエイターが独自のエコシステムを生み出せる環境、そしてユーザーがデジタル上でゲームを十分に楽しめる環境を生み出すために早急に取り組むSONYは素晴らしいと思いました。

4.a16zが仮想通貨特化の2号ファンドで4億5000万ドル調達か

要約

シリコンバレーのVCアンドレセン・ホロウィッツ(a16z)が、2つ目の仮想通貨特化ファンドのために4億5000万ドルの資金調達を模索しているとFinancialTimesが報じた。

1号ファンドであるa16z cryptoは2018年半ばに3億5,000万ドルの資金を集めた。

a16zは2020年1月からスタートアップ向けブートキャンプ「a16z Crypto Startup School」を開始している。

解説
a16z Crypto Startup Schoolが提供している内容は以下です。

1.What are Crypto Networks, and Why Do They Matter? (クリプトネットワークとその影響力とは)
2.Blockchain Computing Primitives: Cryptography and Consensus(暗号学とコンセンサスの全て)
3.Overview of Application Development Tools(ブロックチェーンアプリケーション開発)
4.Applications: Today and 2025(今日と2025年のアプリケーション)
5.Crypto Business Models(クリプト事業のビジネスモデル)
6.Cryptoeconomics(クリプトエコノミクス)
7.UX, Product Development and Security(UX、プロダクト開発とセキュリティー)
8.Go-to-market Strategy and Developer Relations(市場参入戦略とデベロッパーリレーションズ)
9.Community Participation and Governance(コミュニティー運営とガバナンス)
10.Regulatory Landscape and Considerations(法規制のこれから)
11.Guide to Fundraising(資金調達ガイド)

5.StripeがシリーズGでa16zやSequoiaなどから6億ドルの調達とZoomが顧客になったことを発表

要約

インターネットの経済インフラを構築するStripeはシリーズGラウンドの延長を発表し、Andreessen Horowitz、General Catalyst、GV、Sequoiaなどの投資家から6億ドルを追加調達したことが明らかになった。

資金は、製品開発、グローバル展開、戦略的取り組みの強化のために使用されるとのこと。

さらにZoom Video CommunicationがStripeの企業顧客リストに加わったとのこと。

解説

Stripeのリリースによると、同社は20億ドル以上のバランスシート、資本効率の高いビジネスモデル、そして高度に多様化し、成長しているグローバルなユーザーベースを持っていて、ストレスの多い時期にユーザーに途切れないサービスを提供し、長期的な改善に投資することができる立場にあるとのことです。

最後に

ラジオの方でも同様の内容を放送しています。これから毎週土曜日11時に配信しますので、楽しみにしていてください。




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